陣営の期待度と秘める素質の高さは、これまで刻んできた蹄跡が物語っている。
ソールインパクトは3戦目に勝ち上がったあと、
東スポ杯2歳S(3着)に
ホープフルS(4着)と重賞へ挑戦。自己条件ではなく、あえて強敵にぶつけてきた。
「本当は
ホープフルSで賞金を加算したかった」と戸田師は悔しそうに振り返るが、その前走の着差はわずか0秒2。前々走も「早めに仕掛けたら一気に先頭に立ってしまって…。失敗した」と、当時騎乗した福永が唇をかんだ内容での0秒1差だ。今回は昨年リーディング1位の戸崎圭とコンビを初結成。この鞍上起用もまた、今度こそという意気込みの表れと見ていい。
「芦毛の
ディープインパクト産駒は走る馬が多い」
これは関東を代表するトレーナー・国枝師が昨年の
朝日杯FSの前に披露した分析だ。なるほど、その言葉通りに同レースを管理馬
ダノンプラチナが制したほか、13年
秋華賞2着
スマートレイアー、デビュー5連勝を飾った
エイシンヒカリなどこれまで
JRAでデビューした14頭のうち5頭がオープン馬へ飛躍している。
ソールインパクトも続きたい。
重賞奪取へ向けた1週前追い切りは、美浦Wでパートナーを手応えで圧倒。5F68秒3-13秒4(馬なり)のタイムを計時した。2戦目以降は毎回、中4週のゆったりしたローテで使われてきた馬が、今回は初めて中2週と間隔を詰めて臨む。これは「レースを使ったあとも落ち着いている。回復も早くなっている」(戸田師)と、心身両面の成長が背景にあるからだ。初タイトルへ態勢は万全-。頼れる鞍上を背に、中山の直線を突き抜ける。
提供:デイリースポーツ