「第20回
NHKマイルC・GI」(芝1600m)は10日、東京11Rに18頭で争われ、3番人気の
クラリティスカイ(栗東・友道)が初のGIタイトルを獲得した。勝ちタイムは1分33秒5。2着は4番人気の
アルビアーノ、さらに首差の3着には2番人気の
ミュゼスルタンが入った。なお、中団からレースを進めた1番人気の
グランシルクは、末脚不発で5着に終わった。
新緑が鮮やかな府中で、先週の京都に続き横山典の笑顔がはじけた。クセ馬
ゴールドシップに騎乗し、巧腕を見せつけた
天皇賞・春に続く、2週連続のGI制覇。「厩務員さんやスタッフがきっちりと仕上げてくれた。返し馬で(この出来なら)真っ向勝負しても大丈夫と思った。強気に乗った分掛かったが、よく辛抱してくれた」。47歳のベテランは、陣営の努力とパートナーの奮闘をたたえた。
熟練の技がさえた。スタート後はスムーズに好位を奪い、行きたがる馬をなだめる。直線は先に抜け出した
アルビアーノを射程圏に入れ、左ステッキで
ゴーサイン。途中でムチを右手に持ち変え、馬体を併せにいき追い比べに持ち込んだ。名手が手綱を押すと、もうひと伸び。最後は1馬身差で歓喜のゴール板に飛び込んだ。
皐月賞5着後は協議の結果、距離短縮を決断。01年覇者
クロフネとの父子制覇に、友道師は「本当にここを使って正解でした。松田国先生のところにいたときに(助手として)
クロフネに乗せてもらっていたが、すごく
パワーを感じていた。この馬も力がある。高速馬場にもよく対応してくれた」と愛馬をねぎらった。
今後は13日にも滋賀県の吉澤ステーブルWESTに放牧に出される予定だ。師は「現時点ではマイルが合っていると思う。ダービーはやめます」と明言。状態次第で
安田記念(6月7日・東京、芝1600m)への参戦を視野に入れる。「まだ良くなる余地を残しているなかで、こういうレースができたのは大きい」と横山典。伸びしろを残した3歳マイル王が、次は古馬撃破に挑む。
提供:デイリースポーツ