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週刊サラブレッド・レーシング・ポスト

  • 2001年11月21日(水) 00時00分
 ジャパンCウィークである。著名な国際レースだけに、英国のブックメーカーもオッズを掲げて売っているし、香港などでも中継があって馬券も売っている。

 英国のコーラルのオッズでは、1番人気はテイエムオペラオーで、倍率は3倍。昨年はファンタスティックライトを本命にして、テイエムオペラオーのオッズは6倍だったから、随分と評価が上がったものだ。昨年の倍率だと、どうせこの馬の単勝を買うなら英国の友人に頼んでブックメーカーで買ったほうが遥かに得だったのだが、今年のオッズなら日本で買っても大差はないだろう。

 コーラルの2番人気は倍率5.5倍でメイショウドトウ。すなわち、昨年の1・2着馬が今年も、という予想である。メイショウドトウの当日のオッズも、こんなものか。

 ちょっと意外なのが、3番人気とはいえゴーランのオッズが7倍と高めなこと。例えばブリーダーズCの時などを見ても、英国のブックメーカーは英国馬に低めのオッズをつけるのが通例だ。英国のファンはどうしても英国馬を中心に買うので、あまり高いオッズをつけると、ブックメーカーが損をする危険性があるからだ。そんな背景があるにも関わらず、ゴーランにこのオッズだ。コーラルの当事者は、ゴーランが勝つ確率は低いとみているようだ。

 続く11倍の4番人気に、ステイゴールド、ジャングルポケット、トゥザヴィクトリーの日本馬3頭に、アメリカのティンボロアを加えた4頭が並んでいる。この中で、実際のオッズより明らかに倍率が低いのが、トゥザヴィクトリーだろう。勿論、ドバイワールドCでの好走によって国際的に知名度があることもあるが、それ以上に、この馬の実力を高く評価していることが窺える。各社ともオッズメーカーは実によく各馬のフォームを研究しており、そういうプロの評価を侮ってはいけない。英国のオッズから読む穴馬は、これだろう。

 私自身は、今年のジャパンCの穴馬はアメリカのキャグニーと見ている。実は先週まで、この馬とホワイトハートの2頭が怖いと思っていたのだが、ホワイトハートはニール・ドライスデール調教師が来日しないことが判明。これは陣営の気迫不足と見て、お薦めはキャグニーにしたい。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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