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ダート短距離で強そう、アポロライラ

  • 2008年09月02日(火) 23時46分
アポロノオウジ(牡 美浦・堀井雅広 父Dixie Union、母Cotton House Bay)
 父Dixie Unionは、Dixieland Bandを経てNorthern Dancerにさかのぼるラインで、現役時代はアメリカで2つのG1を含めて5つの重賞を制した。種牡馬としては距離の長短を問わず、さらには芝もこなす万能型。日本ではシベリアンホビー(04年全日本2歳優駿-交流GI・3着)を含めて出走9頭がすべて勝ち上がっている。コンスタントに産駒が走るので馬主孝行な種牡馬といえる。母Cotton House Bayはダ9fの米G2で3着の成績がある。全体的に仕上がり早の血が集められており、デビュー戦からいきなり狙える。マイル前後のダートが合っており、距離の融通性は利く。

アポロライラ(牝 美浦・堀井雅広 父Officer、母Hot Chipotle)
 父Officerは北米で9戦6勝。In Realityの流れを汲む傍系で、2歳時にシャンペンS(米G1)を勝った。日本での産駒はアポロドルチェ(07年京王杯2歳S-GII)がよく知られている。今年の2歳世代ではゼットサンサンが函館ダ1000mの新馬戦をレコード勝ちした。完成が早く2歳戦に強い。母Hot Chipotleは米2勝で、Fappiano 3×3だが、Dr.Fager≒Great Above 5×4・5といったほうがいい。本馬はこれらと強力なニックスの関係にあるIn Realityを持っているので期待できる。基本的にはダート向きで、マイル以下でスピードを活かすレースが合っているだろう。

ゴールドラプソディ(牝 美浦・小林常泰 父ゴールドアリュール、母ヒシラプソディー)
 父ゴールドアリュールは初年度からタケミカヅチ(08年皐月賞-GI・2着)、スマートファルコン(08年ジャパンダートダービー-交流GI・2着)、ゴールドストレイン(07年新潟2歳S-GIII・3着)、スペルバインド(08年チューリップ賞-GIII・4着)などを出し、芝・ダート兼用タイプとして成功している。母ヒシラプソディーは中央未勝利馬。本馬の配合は、母の父エルコンドルパサーが持つ多重クロスを継続しているのでおもしろい。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

ダイワハスラー(牡 美浦・松山康久 父アグネスタキオン、母ブラッシンググルーム)
 半兄アドマイヤロマネ(父Fusaichi Pegasus)は中央未勝利のまま地方競馬へ転出。ホッカイドウ競馬で再生し、古馬最大の重賞である道営記念(ダ2485m)で3着と健闘した。本馬の父はアグネスタキオン。母系の奥にはHoist the Flag、Wild Risk、Transworldといった重厚なスタミナ血脈が入っている。アグネスタキオンはこうした血と相性がいいので楽しみが大きい。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

トーセンガイア(牡 美浦・菅原泰夫 父フレンチデピュティ、母イレイシャ)
 兄姉からこれといった馬は出ておらず、半姉トーセンデイジー(父サンデーサイレンス)が1000万クラスまで出世したのが目につく程度。ただ、2代母キーフライヤーはスズカマンボ(05年天皇賞・春-GI)の祖母にあたり、3代母Key Partnerは名牝ダンシングキイ(ダンスパートナー、ダンスインザダーク、ダンスインザムードの母)の母にあたる。本馬は、父フレンチデピュティと相性のいいMr.Prospectorを母系に抱えており、牝系の華やかさだけでなく配合的にも注目できる。芝・ダート兼用のマイラーだろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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