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大物感ある中距離馬、ネオイユドゥレーヌ

  • 2008年09月23日(火) 23時46分
カーナヴァル(牝 栗東・橋口弘次郎 父ダンスインザダーク、母キュンティア)
 母キュンティアは阪神3歳牝馬S(GI)の2着馬で、繁殖牝馬としても初仔からオディール(07年ファンタジーS-GIII)を出して成功している。2番仔の本馬はダンスインザダークが父。Graustark5×5という底力あふれるクロスがあり、マイラータイプの姉とは違い中距離で本領を発揮する。母の父Darshaanから瞬発力を受け継いでいれば出世が見込める。

クリニエルドゥオル(牝 栗東・松元茂樹 父Cozzene、母Color of Gold)
 全姉ローブデコルテは昨年のオークス馬。姉同様アメリカで誕生し、日本で競走馬となった。Cozzene産駒には独特の気難しさがあり、逃げたり追い込んだりといった極端なレースでなければ力を発揮できない仔が目立つ。ローブデコルテは珍しくそうした気性難がなく、好位で落ち着いてレースを運ぶことができた。本馬にもそうした冷静さが備わっていればおもしろい。

ココナッツパルム(牝 美浦・田村康仁 父フレンチデピュティ、母ココパシオン)
 半兄ココナッツパンチ(父マンハッタンカフェ)は弥生賞(GII)と目黒記念(GII)で2着となった活躍馬。本馬はその半妹にあたる。母ココパシオンはリトルオードリー(96年報知杯4歳牝馬特別-GII)の全姉で、これまで一貫してサンデー系種牡馬を付けられてきた。本馬は初めてそれ以外の系統(フレンチデピュティ)から生まれた産駒となる。芝・ダート兼用のマイラー。

トウショウデザイア(牡 栗東・鶴留明雄 父キングカメハメハ、母タバサトウショウ)
 半姉スイープトウショウ(父エンドスウィープ)は宝塚記念(GI)、エリザベス女王杯(GI)、秋華賞(GI)など6つの重賞を制した女傑。デビュー前の本馬を除き、馬名がついた兄弟は5頭いるが、スイープトウショウ以外は走っていない。体質的に弱いという以外に、気性的にも難しいものがあるのかもしれない。父キングカメハメハは初年度産駒からフィフスペトル(函館2歳S)を送り出している。母系のダンディルートはDjebel4×4で、おそらく父と相性がいいと思われるので期待してみたい。芝向きのマイラー。

ニシノキュベレー(牝 美浦・池上昌弘 父サクラバクシンオー、母ニューサイエダッティ)
 母系にNijinskyを持つサクラバクシンオー産駒はニックスで、ショウナンカンプ(高松宮記念など重賞3勝)、シーイズトウショウ(CBC賞など重賞5勝)など多数の活躍馬が出ている。また、母系にHyperion系の血が濃い繁殖牝馬とも好相性を示しており、2代母が「High Line×Tudor Melody」の本馬はその条件を満たしている。サクラバクシンオー産駒の配合として高く評価できる。マイル以下の芝が本領発揮の舞台。

ネオイユドゥレーヌ(牝 栗東・音無秀孝 父ホワイトマズル、母ノブレスオブリッジ)
 母ノブレスオブリッジは札幌記念(GII)3着、ローズS(GII)3着などの成績を残した活躍馬。初仔のワイルドギース(父ファルブラヴ)は中央では未勝利に終わったが、2番仔の本馬は期待できる。「ホワイトマズル×サンデーサイレンス」の組み合わせは、シャドウゲイト(07年シンガポール航空国際C-G1、07年中山金杯-GIII)、アサクサキングス(07年菊花賞-GI、07年きさらぎ賞-GIII)などが出ており成功している。底力あふれる中距離タイプで大物感あり。距離は2400mまで問題ない。

フェルミオン(牝 美浦・奥平雅士 父アグネスタキオン、母パテントリークリア)
 母パテントリークリアはすでに、タイキフォーチュン(96年NHKマイルC-GI)、タイキダイヤ(99年クリスタルC-GIII)、タイキリオン(02年ニュージーランドT-GII)と3頭の重賞ウィナーを送り出している。本馬の父はアグネスタキオン。全体的に軽い血で構成されているので、兄姉と同じくスピードを武器とする競走馬となるだろう。仕上がりは早く、マイル前後の芝を得意とする。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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