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大器の風格を感じさせるトーセンジョーダン

  • 2008年10月14日(火) 23時46分
アイアムピカイチ(牡 美浦・杉浦宏昭 父キングカメハメハ、母シェンク)
 半兄マルカシェンク(父サンデーサイレンス)はデイリー杯2歳S(GII)と関屋記念(GIII)の勝ち馬。半姉ザレマ(父ダンスインザダーク)は京都牝馬S(GIII)2着、福島牝馬S(GIII)3着。父が替わってもコンスタントに活躍馬を送り出す母の能力は高く評価できる。本馬の父は新種牡馬キングカメハメハ。兄姉と違ってサンデー系ではないが、配合的に問題ないだろう。芝向きのマイラー。

サンライズチャンプ(牡 栗東・平田修 父アグネスタキオン、母ウンビジョン)
 母ウンビジョンは未勝利馬だが、2代母ルイジアナピットは阪神牝馬特別(GIII)、牝馬東京タイムズ杯(GIII)を勝った。本馬の従姉にリトルアマポーラ(08年クイーンC-GIII)がいる。リトルアマポーラの父はアグネスタキオンなので、本馬と4分の3まで血統構成が同じ。アグネスタキオンはやや線が細いので、図太いステイヤー血統と相性がいい。2代母ルイジアナピットは「ヴァリィフォージュ×ダイアトム×チャイナロック」という組み合わせなので好ましい。芝向きの中距離タイプ。

シャルマンスタイル(牝 栗東・羽月友彦 父タイキシャトル、母アビ)
 半兄ディープスカイ(父アグネスタキオン)は日本ダービー(GI)、NHKマイルC(GI)を含めて現在重賞4連勝中。母アビは競走馬としては無名ながら、独2000ギニー馬Royal Dragonの半姉にあたる良血で、Miss Carmie 4×3というインブリードを持っている。Six Crowns≒Carmelize 2×2といってもいい。繁殖牝馬として注目できる存在だ。本馬の父はタイキシャトル。素軽いタイプで仕上がりは早いだろう。芝向きのマイラー。

トーセンジョーダン(牡 栗東・池江泰寿 父ジャングルポケット、母エヴリウィスパー)
 母エヴリウィスパーは繁殖牝馬としてはハイレベルな存在。初仔のアドマイヤキラメキ(父エンドスウィープ)は準OPで活躍。2番仔のダークメッセージ(父ダンスインザダーク)は日経新春杯(GII)の2着馬。3番仔のケアレスウィスパー(父フジキセキ)は関東オークス(交流GII)の2着馬。異なる種牡馬を相手にしてもコンスタントにトップクラスの産駒を送り出している。本馬の父はジャングルポケット。OPで活躍中のバトルバニヤンとは4分の3同血の関係にあり、おそらく兄姉同様に重賞クラスで活躍できるだろう。大器の風格を感じさせる。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

レッドスパーダ(牡 美浦・藤沢和雄 父タイキシャトル、母バービキャット)
 2代母BarbarikaはジョニーウォーカーブラッククラシックH(米G2)、ターフウェイパークブリーダーズカップH(米G3)の勝ち馬で、孫に米年度代表馬Curlin(08年ドバイWC-首G1、07年BCクラシック-米G1他)がいる。つまり、本馬とCurlinは従兄弟同士の関係にあたる。「タイキシャトル×Storm Cat」という組み合わせは成功しており、少ないサンプルからメイショウボーラー(05年フェブラリーS-GI、03年デイリー杯2歳S-GII)、ツルマルオトメ(04年フェアリーS-GIII・5着)などが出ている。芝・ダート兼用のマイラー。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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