11月26日から12月7日まで、英国のニュ−マ−ケットで開催されていたタタソ−ルズ・ディセンバ−セ−ルは、前年に続いて総売上げが5000万ギニ−の大台を突破する5138万ギニ−(約97億円)に達し、平均価格はディセンバ−セ−ルの歴代レコ−ドとなる37,126ギニ−(700万円)を記録する、盛況に終わった。
英国の一般景気が相変わらず堅調なことが下支えとなったことは間違いないが、11月に行われたキ−ンランド・ノヴェンバ−セ−ルが、総売上げ前年比41.2%ダウン,平均価格が同26.4%ダウンという壊滅的打撃を受けたことを考えると,ケンタッキ−症候群の後遺症と同時多発テロの影響によってアメリカの市場を敬遠したバイヤ−が、こちらに廻ってきたことは充分に考えられよう。
メインとなる繁殖牝馬セッションの最高価格は、上場暗号1816番として上場された4歳牝馬ジビレ−ヌ。現役時代は1勝で,準重賞入着がある程度の目立たない牝馬だったが、血統が飛び切りファッショナブルなのだ。母ブロケ−ドは,G1ラフォレ賞の勝馬。その産駒、すなわち、本馬の兄弟に、BCマイル勝馬バラシア、今季のG1フィリ−ズマイルの勝馬で来季の牝馬クラシック戦線の有力馬ゴッサマ−がいるという、ピカピカの牝系なのである。おまけにお腹の中に受胎しているのが,今季もG1エクリプスS勝馬メディシアンを出した人気種牡馬マキャヴェリアンとあっては誰でも欲しいのが道理で、ク−ルモア・スタッドをはじめとして複数のバイヤ−が争奪戦に参加。結局、欧州の市場で取り引きされた牝馬としては歴代第3位の高額となる150万ギニ−,およそ2億8000万円で、アイルランドのバル−シュ・スタッドが購買した。
また、当歳セッションの最高価格馬は、英愛2カ国のダ−ビ−に加えてキングジョ−ジ
も制した、今季の欧州最強3歳馬ガリレオの全妹(父サドラ−ズウェルズ,母ア−バンシ−)で、今季せり市場で取り引きされた当歳馬として最高価格,欧州における当歳馬の購買価格としては歴代2位となる110万ギニ−,およそ2億円で、ガリレオと同じク−ルモア・スタッドのジョン・マグナ−氏の所有馬となっている。