スマートフォン版へ

ダート路線で注目したい良血リトルドア

  • 2008年10月21日(火) 23時46分
ウォーターウィンク(牝 栗東・河内洋 父スペシャルウィーク、母ウォーターポラリス)
 母ウォーターポラリスはSadler's Wells系の米リーディングサイアーEl Pradoを父に持つ外国産馬で、現役時代はフェアリーS(GIII)で2着と健闘した。本馬の父はスペシャルウィーク。芝2000mベストのクラシックタイプだろう。スペシャルウィークの代表産駒シーザリオ(05年オークス-GI、05年アメリカンオークス-米G1)、グロリアスウィーク(06年弥生賞-GII・2着)は母系にSadler's Wellsを持っていた。本馬はこのパターンに当てはまる。

ウマザイル(牡 美浦・藤沢和雄 父シンボリクリスエス、母クルーピアスター)
 父シンボリクリスエスは2歳世代が絶好調で、現在、2歳勝利数ランキングでトップに立っている。初年度産駒の傾向から「仕上がりが遅い晩成型」と見られていたが、2年目の今年はその評価を覆す華々しい活躍ぶりだ。母クルーピアスターは阪急杯(GIII)の4着馬で、ジェニュイン(95年皐月賞-GI、96年マイルCS-GI)の全妹にあたる良血。繁殖牝馬としてはすでにアサクサキングス(07年菊花賞-GI、07年きさらぎ賞-GIII)を産んでいる。芝の中距離でしぶとく活躍するだろう。

ダノンロゼ(牡 栗東・橋口弘次郎 父フレンチデピュティ、母ロゼダンジュ)
 母ロゼダンジュは1勝馬ながら、全兄弟にロサード(02年オールカマー-GIIなど重賞5勝)とヴィータローザ(03年セントライト記念-GII、06年中山金杯-GIIIなど)、半姉にロゼカラー(95年デイリー杯3歳S-GII)がいる良血。「フレンチデピュティ×サンデーサイレンス」の組み合わせからは桜花賞馬レジネッタをはじめ4頭の重賞勝ち馬が出ている。全姉ローズシティは現在未勝利だが、馬が良ければ重賞クラスで通用してもおかしくない。

マイネルメビウス(牡 栗東・中村均 父マンハッタンカフェ、母サクラエンドレス)
 母サクラエンドレスは3歳牝馬S(GIII)の4着馬。繁殖牝馬としてマイネルマクロス(04年京成杯-GIII・2着、04年毎日杯-GIII・3着)などを競馬場に送り出している。「マンハッタンカフェ×サクラユタカオー」の組み合わせからは、OPクラスのマイネルキーロフや先日の新馬戦を快勝したベストメンバーなどが出ている。しなやかな芝中距離血統で、底力もありそう。

リトルドア(牡 美浦・藤沢和雄 父Storm Cat、母Reach for the Moon)
 母Reach for the Moonは「Pulpit×Chief's Crown」というバリバリのアメリカ血統ながら、アイルランドに渡って競走馬となり、2歳時にフィリーズマイル(英G1)で3着と健闘した。その半兄にアグネスデジタル(01年香港C-香G1、01年天皇賞・秋-GIなどGIを6勝)、半弟にジャリスコライト(06年京成杯-GIII)とシェルゲーム(04年毎日杯-GIII・2着)がいる良血なので、繁殖牝馬としての期待は大きい。本馬の父はStorm Cat。大味なアメリカ血統で構成されており、Secretariat 3×5・5というクロスを持っている。フィジカルな能力に優れている反面、日本向きの器用さには欠けるかもしれない。排気量の違いでダート路線を突っ走るシーンが目に浮かぶ。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング