距離が延長されて以降というもの、「今年こそはクラシックに直結するはず」と言われつつ、一向に直結する気配のない京成杯。しかし、今年こそはクラシックにつながりそうな気配がある。
その根拠として、まずは間違いのないところで登録メンバーの充実ということがある。2歳春段階での評価は高くなかったものの、いざ走りはじめてみたら良血の強みを存分に発揮しているヤマニンセラフィムをはじめ、サスガ、サクラエクセレントなどサンデーサイレンスの期待株だけでも随分集まったものだ。ひいらぎ賞で負けたばかりのサクラエクセレントを期待株と呼ぶのはためらわれる部分もあるが、小島太厩舎の一流馬というのは一直線に出世するのではなく紆余曲折のあるのが常なので(マンハッタンカフェが典型)、まだまだ見限れたものではない。
「今年は充実」のもうひとつの根拠として、やはり中山と東京の違いが挙げられる。
例年のように、暮れからの連続開催で行われる中山だと、馬場が荒れるため芝のレースはパワー勝負の決着になりやすい。実際、昨年の京成杯は馬体重が重い順の2頭で決着したし、反対に、ガサのない人気馬(昨年の例ではプレジオ)というのはけっこうな割合で飛んでいる。これは1600m時代からの流れなので、やはり路面の影響なのだろう。
ところが例年の1回東京(2月開催)でデータを取ってみると、馬体重ごとの成績偏在というのは見られない。そういう意味では、今年の方がフェアな競馬が期待できるのだ。
もうひとつ、冬の東京芝2000mは人気通りの決着になることが多い。サンプル数は少ないが、昨年までの「1〜2月・東京芝2000m」における1番人気馬は17戦9勝で、単複とも回収率は100%を超えている。実力馬・人気馬が足元をすくわれにくいということは、それだけクラシックロードの1レースとして機能しやすくなるはずだ。