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つかみづらい府中の芝

  • 2002年01月15日(火) 00時00分
 冬開催ということで芝のレースか極端に少ないわけだが、それでいて予想原稿を書くメインレースがたいてい芝というのは困ったものである。馬場傾向がつかみづらいまま1回開催も最終週ということになってしまった。仕方がないので、今回は1ヶ月のズレに目をつぶり、「昨年の最終週開催を参考にする」という手法を取ってみたい。変則3週開催とノーマル4週開催の違いも無視しての予想である。
 昨年の1回東京開催は雪に祟られたが、最終週は良馬場で行われた。芝のレースは土曜に3歳500万下(1400m)、クイーンC(1600m)、900万下(2000m)と3鞍。日曜に新馬(1600m)、900万下(1400m)、準オープン(1800m)とやはり3鞍であった。
 波乱らしい波乱はクイーンCだけだが、一方で1・2番人気決着はなし。人気サイドから1頭軸を選び、チョイ荒れ狙いというのが正解だった(あくまで結果論)週だった。
 そして、その6鞍の中にエアスマップがいたことをご記憶の方はいらっしゃるだろうか。最終日の準オープン、アメジストSを勝ったのがエアスマップ。それまで東京芝1400mのスペシャリストというイメージのあったエアスマップが、はじめて距離の壁を本格的に越えたレースだったわけだ。
 ならば、というわけではないが、AJC杯もそのエアスマップでいいのではないだろうか。金杯は惜しい4着だったが、多頭数で目標にされる不利もあった。2000mを超える距離ではほとんどスローになってしまう最近の風潮を考えれば、今回の方が有利な環境が整うはずである。
 ただ、昨年最終週を見てみると(そして今年の開催5〜6日あたりを見てみても)、いわゆる行った行ったの結果は考えにくい。エアスマップとは対照的な脚質、決め手だけでネジ込んでくるようなタイプの馬とセットにしてみるのがよさそうだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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