大きく人気が割れ、難しいAJC杯となった今回、結果も大接戦だった。重賞実績のない上がり馬同士で1〜2着したのはきわめて珍しいことで、これは休み明けの馬が史上最多の5頭もいたことによるだろう。
全体のレベルが低いとされ、オープン馬の数が極端に少なかった5歳馬の中から1〜2着馬が飛び出したのは、古馬の中距離路線に駒が少なかっただけに望ましいことだ。それも関東馬だっただけに、少し層が厚くなった。
3〜4着に敗れたボーンキング、ミスキャストは、ゴール寸前になって長期休養明けのハンデが出たもので、やはり現4歳馬のトップグループはレベルが高い。ミスキャストはまだ、今回が5戦目、ボーンキングもモタモタした感じが取れてきた。2頭ともにこの春シーズンの前進は必至だ。
6歳マチカネキンノホシは、直線一度は先頭に立ちながら失速。仕上がりは万全に近かった。未完の大器とされてきたが、こういう形で負けるようでは、おそらくG1級に巻き返すのは非常に厳しいだろう。
G2のAJC杯は年齢にシビアで、この20年では90年に7歳ランニングフリーが2着したのが一度の例外。7歳エアスマップが1番人気というのはつらかった。ハンデ戦のG3金杯で、牝馬タフグレイスあたりに競り負けていた馬が、G2の別定2200mで人気の中心というのは不思議だった。