アグネスデジタルの勝ち時計1分35秒1はレースレコード。東京ダート1600mの持ち時計を0.5秒も短縮してみせた。昨年の秋シーズンはちょっと時計のかかるコンディションのG1を3連勝してきたが、時計の速いレースならさらに強さが浮きぼりになる。
芝1600mのマイルCSを1分32秒6のレコードで一気に差し切ったり、重の2000mを2分02秒0で乗り切るなど、中距離型としてはもう万能の強さだが、これならドバイのダート2000mを昨年の勝ち時計2分00秒4(キャプテンスティーブ)ぐらいなら楽々と乗り切れそうだ。
最初はやや非力なマイラーにもみえたが、この父系にしては成長力を見せたのだから立派。種牡馬としてアメリカからオファーがきているというのも理解できる。
2着した公営の4歳馬トーシンブリザードは、間違いなく次の全日本チャンピオンだろう。これまでとはまったくペースも相手も違う流れを追っつけて追走。それでアグネスデジタルと同じ上がり35秒6で伸びた。
体つきはまだ若く、肉付きなどまだまだ途上の印象を持たせたパドック。初の中央遠征にもかかわらず、この大器は大観衆を前に「アクビ」をしていた。いわれているよりはるかに大物だろう。
3着ノボトゥルーと、4着トゥザヴィクトリーはそれぞれ昨年示した能力を、今年もほぼ同じだけ発揮している。ここがダート戦の面白さであると同時に、世界のチャンピオンレースがダートに移りつつある主因なのだろう。まぎれることなく、人気のノボトゥルーとトゥザヴィクトリーは昨年とコンマ0.1〜2秒差で乗り切ってみせたのだ。
トーホウエンペラーも慣れない時計の速いダートで1分35秒6なら文句なしだろう。それも少しささっていた。