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中山記念は斤量に注目

  • 2002年02月19日(火) 00時00分
 先週の京都記念では、ナリタトップロードが60キロを克服して優勝した。単勝510円は、同馬の実績を考えればおいしい配当と言えるだろう。

 最近、「斤量は能力差を埋めきれない。回収率データを見ても、背負っている馬を買うのがお得」と主張してきた私としては、ハンデ戦ではなく別定戦での出来事とはいえ、満足のいく内容であった。

 さて、そのナリタトップロードに続き、中山記念ではエイシンプレストンが60キロを前提に登録している。アグネスデジタルがフェブラリーSを勝ったこともあって「香港人気再燃」という気配もするが、果たしてこの馬も買えるのだろうか?

 近年、中山記念で60キロを背負った馬というとフジヤマケンザンただ1頭である。奇しくも同じように香港で優勝した直後だったフジヤマケンザン。しかし中山記念では状態面の不安などもあって7番人気にしかならず、着順も10着だった。

 これだけを見るとエイシンプレストンも買いづらいように思うが、しかしフジヤマケンザン1例だけをベースに話をするのも根拠が少ない。そこで、話を平成以降の別定古馬G2全体に広げてみよう。

 平成元年以降に行われた3歳上・4歳上の平地別定G2は、全部で207レース。その中で60キロを背負った馬は8頭おり、その成績は[2-1-1-4]というものである。

 回収率を語るには少ないサンプルだし、連対率でいうと58〜59キロ組と大差のないところ。エイシンプレストンについても「軸にはしたくないが、全面的に消すこともできない」という、中途半端な結論になってしまう。

 中山記念では基礎斤量より1キロ余計に背負う馬の成績がいいので、斤量に注目するならジョウテンブレーヴを軸とし、エイシンプレストンはヒモまで、というのが妥当かもしれない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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