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ミデオンビットのマイル巧者ぶりは本物か?

  • 2002年03月26日(火) 00時00分
 予想をする以上は、当てようとするのが当然である。データを用いて予想するにしても、例えば私が最近よく言っている「ハンデ戦は敢えてハンデの重い馬を狙う」とか、「コースに実績のある馬を狙う」とかいう風にするのが普通だ。

 その線でいくと、例えば今回は過去の実績馬ということでジョウテンブレーヴあたりを買うか、血統を頼りにするならこのコース大得意のカーリアン産駒、アーサーズフェイムあたりが(出走できれば)推奨馬候補ということになる。

 しかし、そういう筋道を外してなお、今回注目してみたい馬がいる。「買いたい馬」ではなく、どちらかというとあくまで「注目したい馬」であることをご承知のうえ、読み進んでいただきたい。

 その馬とは、ミデオンビットだ。既に某週刊誌の小さいコラムに書いたのだが、アジュディケーティング産駒には珍しいマイル巧者なのである。

 血統に詳しい方は御存知だろうが、一般にアジュディケーティング産駒にとってマイル戦は芝ダート問わず鬼門だ。それゆえダートでは、1400m以下で好走→1600mで惨敗→距離の限界と思われる→ローカルの1700mで穴をあける、というようなパターンが成立する。

 その一方でミデオンビットは、既にマイル戦3勝・2着1回の4連対。むしろ大得意なのである。しかしこれまでの3勝はいずれも東京。今回は中山でもマイル巧者ぶりを発揮できるかどうかが注目だ。

 ちなみにアジュディケーティング産駒はこれまで中山芝1600mにのべ22回出走してまだ未勝利。産駒20出走以上の種牡馬は計155頭いるが、産駒未勝利はそのうち15頭だけ。あのダート専用種牡馬・アサティスでさえ1勝はしている。それだけ不利な状況をミデオンビットが覆せるのか、それがダービー卿CTの隠れた見所だ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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