予想をする以上は、当てようとするのが当然である。データを用いて予想するにしても、例えば私が最近よく言っている「ハンデ戦は敢えてハンデの重い馬を狙う」とか、「コースに実績のある馬を狙う」とかいう風にするのが普通だ。
その線でいくと、例えば今回は過去の実績馬ということでジョウテンブレーヴあたりを買うか、血統を頼りにするならこのコース大得意のカーリアン産駒、アーサーズフェイムあたりが(出走できれば)推奨馬候補ということになる。
しかし、そういう筋道を外してなお、今回注目してみたい馬がいる。「買いたい馬」ではなく、どちらかというとあくまで「注目したい馬」であることをご承知のうえ、読み進んでいただきたい。
その馬とは、ミデオンビットだ。既に某週刊誌の小さいコラムに書いたのだが、アジュディケーティング産駒には珍しいマイル巧者なのである。
血統に詳しい方は御存知だろうが、一般にアジュディケーティング産駒にとってマイル戦は芝ダート問わず鬼門だ。それゆえダートでは、1400m以下で好走→1600mで惨敗→距離の限界と思われる→ローカルの1700mで穴をあける、というようなパターンが成立する。
その一方でミデオンビットは、既にマイル戦3勝・2着1回の4連対。むしろ大得意なのである。しかしこれまでの3勝はいずれも東京。今回は中山でもマイル巧者ぶりを発揮できるかどうかが注目だ。
ちなみにアジュディケーティング産駒はこれまで中山芝1600mにのべ22回出走してまだ未勝利。産駒20出走以上の種牡馬は計155頭いるが、産駒未勝利はそのうち15頭だけ。あのダート専用種牡馬・アサティスでさえ1勝はしている。それだけ不利な状況をミデオンビットが覆せるのか、それがダービー卿CTの隠れた見所だ。