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皐月賞のテーマは「人気割れ」

  • 2002年04月09日(火) 00時00分
 桜花賞も事前には人気の動向が読めないレースだったが、皐月賞はそれ以上にオッズが読めない。1番人気はタノギムレット・ローマンエンパイアのいずれかと思うが、先物買いでモノポライザーが1番人気なんてこともないとは言えない。アドマイヤドンやバランスオブゲームもそれなりに売れるだろうし、チアズシュタルクも上位の一角だろう。さらに、タイガーカフェやヤマノブリザードだって穴人気はするだろうし、シゲルゴッドハンドだって一応はトライアル勝ち馬である。皐月賞のテーマは「人気割れ」だと言っていいだろう。

 そこで今回はこんなことを調べてみた。昨年1年間に行われた平地レース3448レースを対象にして、1番人気馬に人気が集中しないレースではどんな馬券が「お得なパターン」なのか、という調査である。

 昨年行われた中央の平地レースは3315レース。そのうち、1番人気馬の単勝オッズが4倍以上つけたレースは205レースあった。今回タニノギムレットなりローマンエンパイアなりの単勝が4倍つけるかどうかは分からないが、「人気割れ」をイメージしての条件設定である。

 それらのレースにおける人気順別複勝回収率は、1番人気から順に80・80・70・79・83・83・93%。7番人気馬が93%と高いが、この7番人気馬は単勝回収率も107%と高い。

 オッズ帯別に見ると10.0〜14.9%のゾーンが最も優秀で、単勝で104%・複勝で86%となっている。

 確固たる1番人気がいないレースでは、人気順で7番人気、単勝で10倍台といった近辺を狙うのが面白いということになる。このくらいのゾーンなら、狙って取れないこともない(桜花賞級の荒れ方だと、狙ってどうこうではなくなる)。実際に人気が出揃ってみないと詳しいことは言えないが、タイガーカフェあたりはけっこう妙味があるかもしれない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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