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東京記念・回顧

  • 2009年10月05日(月) 17時55分
東京記念(10月1日 大井 サラ3歳以上 別定 SII 2400m稍重)

○(1)ルースリンド 2分37秒5
◎(2)セレン 1.1/4
(3)ゴールドイモン 1.3/4
△(4)ロングウェーブ 2.1/2
△(5)ライジングウェーブ 3
……………………
▲(6)バグパイプウィンド
△(8)マンオブパーサー

単450円
馬複950円
馬単1820円
3連複10710円
3連単45500円

 ルースリンドがパワー健在をみせつけた。逃げ馬はただ1頭、ゴールドイモン。予測された通りの一人旅で、ラップ13秒台後半が並ぶ、超スローに落ち着いた(1000m通過67.1秒)。

 ルースリンドは、マンオブパーサーを1頭挟んだイン3番手、外バグパイプウィンドと並走する。2周目向正面過ぎ、さあそろそろ…とばかり、鞍上が馬を促す。

 素早い反応とはいえないもののジワジワ加速。4コーナー手前で2番手に上がり、一完歩ごとに逃げ馬を追い詰めていく。これぞステイヤーという長い末脚。逃げたゴールドイモンは格下としても、勝ちっぷり自体やはり堂に入っている。

 「前が止まらない流れだから早めに動いた。感触は(自分の知っている)いつものこの馬。衰えた感じはないですね。最後までしっかり伸びた」(内田博騎手)。

 ルースリンドはこれで重賞4勝目。「東京記念」、昨年に続く連覇となった。父エルコンドルパサー。東京大賞典でも入着レベルの地力があり、しかし本領発揮は2000m以上、持久力、スタミナ勝負とはっきりしている。

 道中常にズブいくらいの手応えで、反面、追い通しの状況でまったくバテない。8歳馬、もちろん培ってきた経験も大きいだろう。2分37秒5は平凡に過ぎないが、よーいドンの競馬ではこんなものか。絶対能力、スケールは別にして、地方競馬、いにしえのスターにはこうしたタイプが多かった。

 ルースリンドにとって不幸なのは、現在純粋なダート長距離GIがないことだろう。帝王賞と東京大賞典、仮にどちらか“3000m”だったら、おそらく同馬の価値も大きく変わる。

 期待したセレンは2着。超スローに前半カカリ、名手・石崎隆Jにしても難しいレースになった。ただ、直線万事休すの位置から鋭く伸びた内容は合格点。改めてその瞬発力、勝負根性に驚かされた。ルースリンドに次ぐ上がり38.9秒。交流Gレベルにはまだ遠いが、初重賞、キャリア16戦を思えば、まだ先に夢がつなげる。

 ゴールドイモン3着は前述通り展開の利で、本質的にマイル前後が合っている。やや期待外れはライジングウェーブ、バグパイプウィンド。前者は52→58kg、後者は久々。それぞれ敗因は浮かぶものの、オープンの基準馬というべきルースリンドに、これだけ離されると展望が暗くなる。2頭とも発展途上の評価だろう。ロングウェーブ4着は能力、距離適性から妥当な結果か。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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