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皐月賞

  • 2002年04月15日(月) 12時36分
 これからあと、どうしてあの馬があんな強い内容で勝ってしまったのか、キツネにつままれたような気分になった時は「ノーリーズン」。流行語になるかもしれない。

 馬場状態の良さからして、ナリタブライアンの1分59秒0のレースレコードに匹敵する好時計は予測できた。だが、1分59秒前後までレベルが高くなると、伏兵ではムリで、それはタニノギムレットなど人気馬が強いレースをした時に生まれる時計と思えた。

 ところが、若葉Sで凡走して候補から大きく脱落。7頭のうち2頭だけが出走できたという抽せんをくぐりぬけた伏兵ノーリーズンが、中団のインからスルスル進出。1分58秒5で圧勝してしまった。

 レースの流れは「59.2秒−59.3秒」。紛れの生じる乱ペースではなく、能力がそのまま出てくるきびしい平均ペースだった。ノーリーズンばかりでなく、ちょっとムリと思えタダイタクフラッグまでそこそこに粘っている。

 どうしてなのだろう。タニノギムレットは3〜4コーナーの反応が悪く。それでも大外を回って小差の3着(四位騎手はゴール寸前あきらめるのが早すぎた。2着はあったかもしれない)しているのだが・・・。

 考えられる理由の1つに、たとえば前走、上がり33.7秒で伸びたローマンエンパイア。34.5秒で大外一気だったタニノギムレットなど、ステップレースでの変則的なレースの流れにより、負担のかかった馬が多かったのではないだろうか。桜花賞の伏兵、NO.1の時計1分34秒4を持っていたサンターナズソングも同じ大凡走だった。ステップレースでムリなラップを踏み、反動の出たグループはみんな凡走している。馬場状態が東西ともに良くなりすぎたことが、かえって反動をもたらし、さらには力関係をあやしくしてしまっているのかもしれない。ギムレットは?だが、皐月賞の1番人気馬は過去20年、ダービーで[9-0-1-6]だ。まだ落胆は早い。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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