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前走オープンで人気の馬に注目

  • 2002年04月16日(火) 00時00分
 オークストライアルというのは、なにかが起こりそうな予感のするレースである。距離は、出走馬の多くがこれまで走ってきた距離よりちょっと長めの2000m。ずっと前からオープンだった馬もいれば、前走初勝利をあげた馬もいる。既に賞金を持っている馬もいれば、ここがメイチの馬もいる。

 そういう混沌とした状態で、いかにもなにかが起こりそうな気がするオークストライアル。しかし、「なにも起きない」のがオークストライアルなのだ。

 なにも起きないというのは、要するに人気サイドで決まることが多いということである。平成以降の13回、単勝・複勝とも全馬をベタ買いした場合の回収率はそれぞれ54%・51%。標準が75〜80%だからあまりに低い。これは人気順ベースで見る以上に「安い決着」が多いということでもある。

 ちなみに複勝回収率ベースで見ると1・3・5番人気馬は黒字。4番人気馬も99%と高い。いかに本命決着が多いかお分かりいただけるだろう。

 それならそれで本命サイドからさらに買う馬を抽出する方法を探せばいいじゃないかとお思いだろうが、これがなかなか難しい。昇級戦なのに人気という馬を嫌った方がいいのは事実なのだが、オープン定着組の仕訳が難しいのだ。種牡馬、枠順、前走着順、前走脚質……どのような切り口を使っても「このパターンは複勝回収率100%以上」という話を作りにくいのである。

 レース別だと、前走忘れな草賞組が多少優秀という傾向はあり、前走フラワーC組は基本的に消し。ただ、これだけで馬券が決まるわけでもない。

 敢えてひとつ買えそうな条件を出すなら、「前走オープンで人気になっていた馬」。しかも前走1番人気より、2・3番人気の方がいい。今回条件に合う馬がいたなら、そこから人気サイドに買い目を絞って流そう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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