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ジャングルポケット・武豊は単純に買いか?

  • 2002年04月23日(火) 00時00分
 天皇賞・春ではジャングルポケットに武豊騎手が騎乗する予定である。骨折からの回復が思いのほか早かったことや、復帰2日目の日曜日にいきなり特別3鞍を完全制覇したこともあって、ジャングルポケットは完全に上げ潮ムード。本命にしようと決めているファンも多いに違いない。

 しかし、だ。ムードだけで諸手を挙げて賛成するわけにはいかない。ここは買うべきなのか、敢えて評価を下げるべきなのか、なんらかの裏付けが必要なのではないか。

 そもそもジャングルポケットはあれだけ難しい馬で、しかも武豊とはいえテン乗りである。不安もあるのではないか。

 まあ、ジャングルポケットについてはやってみるまで分からないとしか言いようがないので、ここでは「乗り替わり」に焦点をあててみよう。武豊への乗り替わりというと無条件に良いような気がしてしまうが、果たしてそうなのか。

 過去3年強(99年以降)について調べてみると、実は微妙なのである。

 まず、「前走も武豊騎手・今回も武豊騎手」というパターンでの連対率は41.4%。複勝回収率は73%である。これが評価の基準となる。

 一方で他騎手から乗り替わった場合は連対率34.6%・複勝回収率76%。複勝回収率こそ多少上がるが、連対率は落ちる。武豊騎手は乗り替わりの一発でどうこうというより、持続的に乗ることで馬を育てていくタイプなのかもしれない。

 ちなみに、小牧太騎手から武豊騎手への乗り替わりというのは過去10回あって[0-0-2-8]。かつての主戦、角田晃一騎手から武豊騎手への乗り替わりは[19-8-15-53]で連対率28.4%・複勝回収率67%である。もちろん武豊騎手で悪いはずなどないのだが、単純に鞍上強化ムードが盛り上がって票が入りすぎると、ギャンブル的には買いづらい選択肢になってしまう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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