予測された通り超スローの流れ。前半の1000m65秒7〜2000m通過2分9秒4のゆったりしたペースだった。これは阪神大賞典、さらには12月の有馬記念と同じで、後半の1000mは57.4−45.5−34.3秒。上がりの速さもほとんど同じである。
有馬記念で同様のペースから、上がり33.9秒の爆発力をみせ、切れ味勝負の破壊力No.1を示したマンハッタンカフェの勝利は、ごく順当といっていいだろう。スケールで一枚上回っていたともいえる。
1番人気は6歳ナリタトップロード。スローの流れの中、早め早めにスパートして一度は抜け出すはずだ、の読みがあったのだろう。それを考えると、何としても勝ちたかった渡辺騎手=トップロード。スパートのタイミングを逸したあたり、やや弱気だったといえるかもしれない。もっと早く動くべきだったとはいえる。
しかし、もう一つ。最も大事なポイントを再確認しなければいけない。
それは、テイエムオペラオー、メイショウドトウ、ナリタトップロードが代表するチャンピオンの世代があった。一方に、マンハッタンカフェ、ジャングルポケット、そして引退はしたが、クロフネ、アグネスタキオンの世代がある。
昨年の秋以降、ジャパンC、ジャパンCダート、有馬記念、そして今回の天皇賞・春。いつもこの2つの世代が注目を集め、どっちが強いかを問われていた。ジャパンCも、ジャパンCダートも、有馬記念も、そして天皇賞・春も勝ったのはすべて現4歳の世代である。レベルの差は歴然としているのだ。
ならば、ナリタトップロードにここで勝てというのは、少々無理筋であったろう。ナリタトップロードは力を出し切っている、と認めなければならない側面もある。