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天皇賞・春

  • 2002年04月29日(月) 13時16分
 予測された通り超スローの流れ。前半の1000m65秒7〜2000m通過2分9秒4のゆったりしたペースだった。これは阪神大賞典、さらには12月の有馬記念と同じで、後半の1000mは57.4−45.5−34.3秒。上がりの速さもほとんど同じである。

 有馬記念で同様のペースから、上がり33.9秒の爆発力をみせ、切れ味勝負の破壊力No.1を示したマンハッタンカフェの勝利は、ごく順当といっていいだろう。スケールで一枚上回っていたともいえる。

 1番人気は6歳ナリタトップロード。スローの流れの中、早め早めにスパートして一度は抜け出すはずだ、の読みがあったのだろう。それを考えると、何としても勝ちたかった渡辺騎手=トップロード。スパートのタイミングを逸したあたり、やや弱気だったといえるかもしれない。もっと早く動くべきだったとはいえる。

 しかし、もう一つ。最も大事なポイントを再確認しなければいけない。

 それは、テイエムオペラオー、メイショウドトウ、ナリタトップロードが代表するチャンピオンの世代があった。一方に、マンハッタンカフェ、ジャングルポケット、そして引退はしたが、クロフネ、アグネスタキオンの世代がある。

 昨年の秋以降、ジャパンC、ジャパンCダート、有馬記念、そして今回の天皇賞・春。いつもこの2つの世代が注目を集め、どっちが強いかを問われていた。ジャパンCも、ジャパンCダートも、有馬記念も、そして天皇賞・春も勝ったのはすべて現4歳の世代である。レベルの差は歴然としているのだ。

 ならば、ナリタトップロードにここで勝てというのは、少々無理筋であったろう。ナリタトップロードは力を出し切っている、と認めなければならない側面もある。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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