2歳GIを前にした中途半端な時期ではあるが、「赤本掲載馬の近況」が今年最後ということで、おすすめ10頭に挙げられていた馬の振り返りから入ってみたい。
おすすめ10頭コーナー全体を見ると、かつて首位を経験したメンバーが(私を含めて)不甲斐ないのに対し、競馬総合チャンネル編集部(現状ダントツ1位)の活躍が目覚ましい。どちらかというとマニアックな指名に走って結果がついてこなかった浅野靖典氏が2位と健闘しており、かつてのメソッドが通用しなくなりつつあるようにも思える。
とはいっても、今年活躍している指名馬が、とんでもないゾーンから出ているわけではない。
競馬総合チャンネルの指名馬でいうと、
リルダヴァルは上がさんざん人気になった血統だし、
ローズキングダムは定番のバラ一族。
リディルもエリモの馬で母が活躍馬だから、全くケアできないわけではない。難しかったのは
ステラリードくらいか。それとて森厩舎だ。
浅野氏の
コスモファントムはBRFの中でも外国産馬ということで誰もが一度は気に止める存在だし、
ラナンキュラスはベタ中のベタ血統。
競馬の秩序が丸々変わってしまったわけでもないのに、なぜ「捕捉率」が低くなったのかを考えると、やはりSS時代からポストSS時代への変化というものがあるのではないだろうか。
社台グループの良血馬・高額馬の中から大当たりが出る確率は、SS時代よりも低くなっている。一方で、同じ社台グループでも穴っぽいところから走る馬が出る余地が出てきている。同様の構造は、非社台系の馬についても言えると思う。
この変化については個人的には昨年から感じており、今年はトップクラスの人気馬を避けてその次のゾーンを攻めるようにしていた。
シーズンズベストや
ミカエルビスティーなど当たりの近場まで来ている手ごたえはあるのだが、大きな結果を出すには至っていない。
SS直仔時代は、人気どころをローラー作戦しておけばどれかが当たって全体を解決できた面があるが、ここへきて賞金が広く薄く分散する傾向にあり、単純なローラーでは運任せになりすぎる。
ということは、自分の側の「的中率」を挙げる必要があるわけで、そのためには人気上位クラスでも不安材料があったらバッサバッサ切るくらいの思い切りも必要だ。今年でいうと、既に抹消した馬だから例に引いてもいいと思うのだが、
ローザミスティカ(母ロゼカラー)などは、「(トレセンに)持っていくの、早すぎない!?」と困惑するような馬だったわけで、そう感じたら遠慮なく無印にしてもいいくらいなのだろう。
筆者:須田鷹雄
1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。POGの達人としても知られ、監修を務める“赤本”こと「POGの達人」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書と言われている。netkeiba.comでは「
回収率向上大作戦」も担当している。
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