とても個人的な話だが、JCダートの週は赤本おすすめコーナーで1位に挙げていた
ドレスアフェアーが新馬を、2位の
アドマイヤテンクウが未勝利を勝って、なかなか良い週であった。1勝したくらいでは及第点とは言えないが、ドラ1ドラ2が未勝利だとカッコ悪いので、正直安堵したところではある。
この2頭、ともに道中は後ろからの競馬だった。ドレスアフェアーは騎手を手こずらせながら1コーナーを回り、3〜4コーナーから勢いに乗っての差し切り。アドマイヤテンクウは相変わらずやる気が無い風に向正面あたりまで行き、直線突然やる気が出たような追い込みを見せた。
レースの距離はともに2000m。中距離の新馬・未勝利を豪快に差し切ると、「クラシック!?」なんて浮かれたくもなるものだが、しかし、実際に「差して初勝利」というのはそんなに偉いのか?というのが、今回のお題である。
既に評価の確定している現3〜12歳の10世代を対象に見てみよう。
これらの世代の2歳・芝1800〜2000m新馬戦における決まり手は次のような割合となっている。
逃げ 79頭(22.3%)
先行 182頭(51.3%)
差し 66頭(18.6%)
追込 16頭(4.5%)
マクリ 12頭(3.4%)
一方、未勝利で勝ち上がった馬を対象にすると……
逃げ 42頭(16.9%)
先行 117頭(47.0%)
差し 78頭(31.3%)
追込 8頭(3.2%)
マクリ 4頭(1.6%)
新馬のほうが先行押し切りの度合いが強いが、いずれにしても前に居るほうが有利であることは分かる。
今度は、3歳重賞(JRAのみ、ダートも含む)を勝った馬が2歳芝1800〜2000mの新馬・未勝利で勝っていた場合の決まり手を見てみよう。
逃げ 8頭(24.2%)
先行 21頭(63.6%)
差し 4頭(12.1%)
追い込み、マクリは無し
調べてびっくり、逃げ・先行のシェアが圧倒的に高くなっているではないか。
考えてみれば、追い込みの代名詞であるディープインパクトも、デビュー戦の通過順は「4-5-3-3」(9頭立て)だった。
解釈の仕方によっては後に重賞を勝つような馬は強い→放っておいても未勝利レベルでは位置取りが前になってしまう……ということもありうる。となると、差して勝ったからといって浮かれてはいられないわけだが、さて、私のドラ1ドラ2の運命はいかに。
筆者:須田鷹雄
1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。POGの達人としても知られ、監修を務める“赤本”こと「POGの達人」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書と言われている。netkeiba.comでは「
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