個人的な見解だが、1200m戦と1600m戦では求められている能力・適性に違いがあり、さらに1400mはその中間であるがゆえに、さらにビミョーな適性というものが存在していると考えている。そのために1400m戦にはいわゆる「距離巧者」という存在が出てくるのではないだろうか。エリザベスローズ、ビコーアルファ、スギノハヤカゼ……といった馬を想起していただければ、私の書いている意味合いはお分かりいただけるかと思う。
そういったタイプの馬でも年齢とともにマイルかスプリントのどちらかへシフトしていくことは多いのだが、なんにせよ「いま現在1400m巧者」という馬はいるものだし、そういう馬を買うのが芝1400m戦の面白さだと思うのだ。
ところが、である。
京王杯SCは1400mのG2であるにもかかかわらず、距離巧者の登録が少ないのである。
芝1400mを3回以上使われ、3分の2にあたる66.7%以上の連対率を記録している馬はわずか4頭。回避予定馬を除くと3頭だけになってしまう。
その3頭とはマグナーテン、トウショウリープ、ハッピーマキシマムの3頭。マグナーテンは普通に買える馬だが、残り2頭については格の面から不安に思う方も多いことだろう。
しかし、除外等の問題を無事にクリアして出てくるようなら、ここはむしろその2頭、トウショウリープ、ハッピーマキシマムの方を重視したい。
理由はふたつある。ひとつは今回距離だけでなく、東京巧者も少ないこと。詳しいデータを出す余裕はないが、府中でこそというタイプがいない。
もうひとつは2頭ともサクラバクシンオー産駒ということ。父も1400mは得意だったが、仔は今回の2頭に限らずやはり1400m巧者が多い。もともとは「父サクラユタカオー」が東京芝1400mで買いの血統だったわけだが、代が下がってもその傾向は変わらない。