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2009年の2歳戦を振り返る

  • 2010年01月08日(金) 11時00分
 新年一回めの更新ということで、今回は2009年の2歳戦を振り返ってみたい。

 端的に言うと、大きなくくりではこれまでの傾向がそのまま踏襲されたという印象の強い2歳戦であった。

●関西馬の優勢続く
 1走あたり賞金で見ると、関東馬が80万円に対し関西馬は114万円。ここまで大きな差ができるということは、オープン・重賞で関西馬がかなり優勢であることを示す。

●社台ファーム、ノーザンファームは引き続き強い
 以前ほど強い印象が無いかもしれない社台グループ生産馬だが、これまた1走あたり賞金で見ると社台生産馬が220万円でノーザン生産馬が229万円。他に50出走以上で1走あたり200万円に達しているのはノースヒルズマネジメント(200万円)しかない。

●SS系の主力どころもそれなりに堅調
 50出走以上で1走あたり賞金が200万円以上なのはスペシャルウィークとアグネスタキオン。種牡馬で目新しい要素としてはキングカメハメハのブレーク(前回分で詳述)、クロフネの勝利度数1位などがあるが、クロフネはフレンチデピュティともどもダートのほうが勝ち鞍が多い。POGというよりは馬券向きの印象も。

●セレクトセール組が不調
 社台グループにしてもクラブや、庭先・預託が走っている感じで、セレクトセール組は低調。アニメイトバイオのような超安馬が走ってしまっているぶん、特に高馬に対する不満が本物の馬主にも、POゲーマーにおいても高まっているのではないかと思う。

 ただ、「出走に至った馬」だけを対象にして見た場合、1億円以下の範囲については「高いほどパフォーマンスも良い」という傾向が保たれている(セレクトセール以外のセールも含む)。ドラフトの時点で順調さを欠いている馬をオミットすれば、情報の多いセール組の利用価値はあるだろう。


 最後に、厩舎について少々書いておきたい。いわゆるリーディング上位厩舎が「いい厩舎」ではあることはもちろんだが、不思議なもので、2歳戦で勝ち星を稼ぐ厩舎とそうでない厩舎は2極化しているように思える。

 2009年でいうと、関西リーディングを争った矢作と音無は、前者が2歳戦リーディングであるのに対し後者は3勝のみ(そもそも出走数も少ない)。関東でいうと、藤沢和は関東の2歳戦勝利度数2位(1位の国枝と2着数の差)なのだが、全体リーディングにおける 他厩舎のとの差を考えると地味な印象もある。

 そこには馬房回転の問題もあるだろうし、そもそも厩舎の得意分野が違うといったこともあるだろう。このあたりは今後の研究対象として面白そうだ。

※次回の更新は、1/22(金)を予定しています。

筆者:須田鷹雄
 1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。POGの達人としても知られ、監修を務める“赤本”こと「POGの達人」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書と言われている。netkeiba.comでは「回収率向上大作戦」も担当している。


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