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週刊サラブレッドレーシングポスト

  • 2002年05月22日(水) 00時00分
 6月7日に行われるオークス(G1、12ハロン10ヤード、エプソム)のプレップレースがほぼ終了し、有力馬の勢力分布が明確になった。

 各ブックメーカーが、3.5倍から4倍のオッズを掲げて1番人気に推しているのが、5月14日にヨークで行われた最重要プレップレース・G3ミューシドラS(10ハロン85ヤード)を制したイズリングトン。2歳時は2戦0勝だったが、未勝利の分際で挑んだLRオーソーシャープSで3着となった実績を買われて、冬場のアンティポストでも7〜8番人気に推されていた馬である。父サドラーズウェルズで、母が牝馬ながらG1・セントレジャー2着の実績があるヘレニック、兄にG1馬グリークダンスがいるという良血馬である。

 イズリングトンを追う2番手グループには、1000ギニー組が並んでいる。1000ギニーを勝ったカジア(5〜8倍)は、父がシャーリーハイツの系統で、母が11ハロンの勝馬と、血統的にはむしろオークス向きと見られていた馬だ。

 2着スノウファイア(11倍〜19倍)は、2歳時にLRオーソーシャープSでイズリングトンに先着して2着になった実績がある馬。母の父がダービー馬リファレンスポイントで、母自身が10ハロン戦の勝ち馬と、母系から豊富なスタミナを受け継いでいる。

 3着のアラシャ(8〜12倍)も、メイドンを勝っただけの2歳終了時点でオークスの前売り10番人気前後につけていた素質馬。父バラシアはサドラーズウェルズの子では最もスピードを伝えると言われている種牡馬だが、母の父ダルシャーンはスタミナ豊富なことで知られる馬だ。

 2歳時の評価がイズリングトンよりもアラシャよりも高かったのが、1000ギニー5着のクォータームーン(6〜8倍)。デビュー2戦目で未勝利の分際で挑んだG1・モイグレアスタッドSを勝った天才肌で、父サドラーズウェルズで母の父ダルシャーンと、配合的には1マイルよりは明らかに12ハロン向きである。

 そんな1000ギニー組に互して2番手グループの一角に名を連ねているのが、エスルーブ、シャドウダンシングといった、直前のプレップレースを制して本番に臨む馬たちだ。

 5月5日にニューマーケットで行われた10ハロンのLRプリティポリーSを制したのが、エスルーブ(9倍〜11倍)。2歳8月にニューマーケットのメイドンでスノウファイアを破ってデビュー勝ち。続いてG1・フィリーズマイルに挑んで3着と、2歳時から実績があった馬。母がヨークシャーオークス勝馬ロージエットターンで、その兄にG1勝ち馬で本邦種牡馬イブンベイがいるという、名門の出身である。

 5月8日にチェスターで行われた11ハロン79ヤードのLRチェシェアオークスを制したのが、シャドウダンシング(13倍〜17倍)。2歳時は、G3・メイヒルS(8ハロン)3着がベストパフォーマンス。父がアンファウェインで、母は14ハロン戦の勝馬と、スタミナには絶対の自信を持っている。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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