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安田記念

  • 2002年06月03日(月) 12時29分
 良馬場で勝ち時計は1分33秒3。レースの流れも[前半45秒9−後半47秒4]。バランスを失うことなく、どの馬も能力を出し切れるペースだった。内寄りの芝が荒れていて、どちらかというと外枠の馬有利という微妙なハンデを別にすれば…。

 エイシンプレストンが1番人気、2番人気がダンツフレーム。マイラーとしての資質と同時に総合力も求められる安田記念。きわめて当然の人気で、実際、上位5着までに入ったのは、みんな有力と思えた馬だった。中で5着エイシンプレストンは、やや行きっぷりが悪くスムーズに外を回れなかった。ゴール寸前のストライドをみると疲れではなく、力を余した感は否定できない。負けはしたが評価は下がらない。

 アドマイヤコジーンは、約3年ぶりに勝った1月の東京新聞杯のころより「断然良くなっていた…(後藤騎手)」。一段と白くなった芦毛が今回は光り輝いていた。動きも柔らかくなっている。6歳とはいえ長いスランプと休養があったからまだ20戦だけ。秋のマイルCSも期待できる。10番人気の東京新聞杯のときから3戦も続けて◎にしてきたのに、今回は無印。G1では少し足りないかと思えたが、復活しただけでなく、このアドマイヤコジーンは確実に強くなっている。

 芦毛、カロ、フォルティノ、グレイソヴリンの父系。この父系の活力のすごさに驚くと同時に、確実に夏競馬に突入した。この夏もコジーン、ティッカネンなど、この父系の活躍がある。

 ダンツフレームはマイラーとしてこれから本格化する。凡走しない安定したタイプだけに、今後の2000mまでの路線はこの馬が能力の基準になるかもしれない。この春のG1路線、総じて藤沢勢(数多く出走)は不振だった。トップトレーナーの位置は少しも動かないが、育て鍛える手法を今後は少し方向転換してくるかもしれない。精神的に甘い馬が多すぎるからだ。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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