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種付料を知っていますか?

  • 2010年03月19日(金) 11時00分
 POGは「どの馬を選ぶか」の戦いでもあるが、プレイヤー同士の駆け引きのゲームでもある。ドラフト時、人気のありそうな馬は早めに取りにいかねばならないし、反対に注目度の低そうな馬は、後回しにしても大丈夫になる。

 そして、2歳馬の人気を決める重要なファクターのひとつが、種牡馬だ。同じくらいの評判が伝えられている2歳馬どうしだと、種牡馬のネームヴァリューによって人気が決まりやすい。

 そう考えると、「種牡馬の力関係」を考えるということは大事なテーマだ。既に走っている産駒の成績はTARGETなどで調べることもできるが、それさえ徹底されているとは言い難い(例えば、ネオユニヴァース産駒の当たり外れの激しさなどはあまり語られない)。馬産地での人気だとか、それに応じてどのレベルの繁殖牝馬が配合されているかといったことになると、さらに難しい話になる。

 そこで一度見てみることをおすすめするのが、種牡馬の種付料情報だ。

 競馬ブック・血統センター系の「ホースナビ」では、今年の情報はもちろん、過去に遡って種付料の変遷を見ることができる。ブックフル時はBFとしか表示されないので人気種牡馬の実勢価格を遡ることはできないが、中堅級種牡馬の「格」について、変遷をたどることができるのは便利だ。

 一方、今年の種付料だけでよければ、(株)優駿のサイトに、ノミネーション種牡馬株情報が出ている。こちらはブックフルでも価格がカッコ書きになっているので、たとえば人気のSS系を並べると、

スペシャルウィーク満口(受400万)
ゼンノロブロイ満口(受350万)
ネオユニヴァース満口(受500万)
マンハッタンカフェ満口(受600万)

のように、マンハッタンカフェの格がファンのイメージよりさらに上に来ていることが分かる。

 実際の価格決定というのは単純に需給で決まるものでもないし諸々の事情も介在するのだが、それでも一定の参考材料にはなるだろう。たとえばこのマンハッタンカフェの場合、ノーザンファームがほとんど種付けしていないのでPOG情報の前面に出にくいが、今や最優先にすべしと言ってもいいほど、重要な存在になっていることが分かる。

 もうひとつ注目しておきたいのが、社台スタリオンステーション繋養馬と、その他の種馬所にいる馬との「ハンデ」だ。ブランド力から人間関係まで、諸々の要素があって、社台SS繋養馬は日高に比べて高めの数字が出やすい。逆に言えば、日高である程度の年数種牡馬を続けていて(産駒も走っていて)、種牡馬価格を社台SSの主力級の半分くらいには維持できている種牡馬というのは、それだけ能力が保証されているということでもある。

 そこにはPOGの穴馬も隠れていることだろう。今回は(株)優駿のサイトを紹介させていただいたことでもあるし、優駿スタリオンステーションから1頭ズバリと指名するならば、キングヘイローだ。こじんまりとした産駒が多く、見栄えでPOG媒体の評判にはなりづらいというのが、指名する側にとってはさらにプラスでもある。

※次回の更新は、4/2(金)を予定しています。

筆者:須田鷹雄
 1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。POGの達人としても知られ、監修を務める“赤本”こと「POGの達人」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書と言われている。netkeiba.comでは「回収率向上大作戦」も担当している。


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