5月17日、船橋競馬場において千葉サラブレッドセールが行われる。
かつては1歳セッションと2歳セッションが別々に行われていたこともあったが、同日開催となった後は2歳セッションがメインのセールとなった。
そして、今年はこのセールが大きな転換点を迎える。
というのも、社台ファームが大挙26頭(5/10時点での予定)を上場することになったからだ。
これまで、社台ファームの上場馬は最多でも10頭(2004年)。それを考えると、26頭という頭数が与えるインパクトの大きさはご理解いただけるだろう。
しかも、リザーブ価格も手ごろに抑えられているようで、馬主さんの関心も例年より高いようだ。
これまで、千葉サラブレッドセールはその立地のわりにあまり注目を集めてこなかった。
その理由のひとつが上場頭数の少なさ、特に血統レベルの高い馬の少なさで、さらにその少なさが、結果として「当たりが入っていなかった」という不満に繋がるような部分も存在した。
もっとも、責任は上場側だけでなく、購買者側にもあった。
社台ファーム上場馬でいうと、過去6年にこのセールで購買され中央でデビューした馬は28頭いるのだが、そのうち勝ち上がった馬は9頭。一方で、主取りになった馬は6年で3頭だけなのだが、その3頭はすべて勝ち上がっているのである。
しかもその3頭のうち2頭は
ピースデザイン(3勝・賞金4540万円)と
プリンセスメモリー(2勝・賞金4200万円・現役)という、このセール最大級の大当たり馬。これらを購買者がキャッチできていれば、セール全体のイメージももう少し違っていただろう。
話を戻すが、先述したように今年は社台ファームから26頭が上場される。これだけ数がいれば当然「当たり」も入っているはずなわけで、それをめぐる購買者の戦いがどうなるのか、楽しみだ。ディープインパクト産駒や重賞勝ち馬の下なども上場されているが、単純なアプローチで成功できるとは限らない。購買者がどのような戦略性をもって臨むかも注目だ。
もちろん、「当たり」は社台ファーム以外に潜んでいることもある。各年のJRAにおける最高賞金獲得馬を挙げると、2009年組はカタオカステーブル、2006年は大作ステーブル、2005年はJRA(ブリーズアップセール主取馬)の上場馬から出ている。
ブランド力に勝る社台ファーム勢に負けないように……と他の上場者が好素質馬をぶつけてくれば、セール自体のレベルアップにつながる。そういった意味でも、今年の千葉サラブレッドセールには注目だ。
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※次回の更新は、5/28(金)を予定しています。
筆者:須田鷹雄
1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。POGの達人としても知られ、監修を務める“赤本”こと「POGの達人」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書と言われている。netkeiba.comでは「
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