3〜6歳の4世代の対決は、世代レベルの差で上回るとされる「4歳馬」の底力が完全に一枚上だった。逃げた3歳ローエングリンが中盤をスローに落としたため、上がり47.0−34.9秒(12.1−11.5−11.5秒)の速い決着になったが、こういう形の最後の1ハロンは、切れ味の差というより総合力(底力)の差となることがある。後方から良く伸びたツルマルボーイ、一度はかわされた形になりながら差し返して勝ったダンツフレーム。2頭の力が上だった。
これまでG1では2着が3回もあったダンツフレームの牝系は、マリアドロから広がる一族。3代母キネウスマリアが、モンテオーカンの全妹になる。モンテオーカンは、5歳時に本格化して天皇賞(春)、宝塚記念を制したモンテプリンスの母。モンテプリンスもまた、初のビッグタイトルを手にするまでにG1級を3度の惜敗の2着があった馬で、今回のダンツフレームは奥手タイプのファミリーを象徴するような古馬になっての本格化だった。まだスケールアップしそうだ。
2着ツルマルボーイも58キロをこなし、坂のあるコースでこの速い上がりのレースで好走したからもう本物だろう。母ツルマルガールは94年の朝日チャレンジC(中京)を1分58秒7の好時計で制した馬。ツルマルボーイはここまで母と同じように平坦向きだったが、もう坂はこなせる。
人気のエアシャカールは追い出してヨレたがこれはいつものことで、やや切れが衰えている。今回は完敗だった。ローエングリンは53キロを生かしての大好走で、3歳馬のレベルの高さもアピールしたが、平均ペースのスタミナ型に近く、もう少しパワーアップしたらスローペースの逃げ馬ではなく、相手に脚を使わせる強気の逃げもありそうだ。
狙ったフサイチランハートは望みの差し比べの混戦にならなかった。