全体に少し時計がかかる芝コンディションで、先行馬が猛ペース(1000m通過58.2秒)で引っぱる流れ。早めにスパートした人気のダイタクフラッグ、ボールドブライアンなどが一度は先頭に並びながら失速し2転3転、最後方近くまで下がっていた伏兵カッツミーが一気に差し切ってしまった。
福島コースで、能力に大差のない組み合わせの各馬が勝ちに出ると、途中からレースの流れがこわれてしまう。小回りの福島コースがもたらす難しさなのだろう。これで、ラジオたんぱ賞ではこの7年、1番人気馬は3、7、9、9、6、4、6着となった。早めに動いて勝ちに出ざるを得ない立場になった馬は、必ず失速するパターンができてしまった。
同じ福島コースでは、今週の古馬の「七夕賞」でも1番人気馬はもう23連敗もしていること。また、ほぼ同じようなコース形態の函館記念では、もう5年も連続して万馬券になっていることなど、波乱の原因はまず同じだろう。みんな中距離のスピードと切れ味を求められる重賞だが、波乱は大歓迎としても、台頭した馬がのちに能力上位だったとはならないところが難しい。ラジオたんぱ賞の勝ち馬は新しいところから順に、トラストファイヤー、ルネッサンス、シルクガーディアン、ビワタケヒデ、エアガッツ…。人気で負けた馬の方が、のちにはやっぱり活躍している。今週の七夕賞への教訓としたい。
ダイタクフラッグは、負けたとはいえ0.4秒差だけ。江田照騎手もここ2〜3週、ややリズムが悪く、ふつうの平均ペースの流れなら巻き返せる。ついで人気だったボールドブライアン、サスガの藤沢勢は、ムキになって行きたがっているうえ、苦しくなってがんばる粘り強さがない。精神的にもろすぎた。
特注は3着のソウゴンで、この乱ペースの中、良くギリギリまで粘ったものだ。右回りのローカル巧者として大仕事をしそうだ。