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ラジオたんぱ賞

  • 2002年07月01日(月) 12時36分
 全体に少し時計がかかる芝コンディションで、先行馬が猛ペース(1000m通過58.2秒)で引っぱる流れ。早めにスパートした人気のダイタクフラッグ、ボールドブライアンなどが一度は先頭に並びながら失速し2転3転、最後方近くまで下がっていた伏兵カッツミーが一気に差し切ってしまった。

 福島コースで、能力に大差のない組み合わせの各馬が勝ちに出ると、途中からレースの流れがこわれてしまう。小回りの福島コースがもたらす難しさなのだろう。これで、ラジオたんぱ賞ではこの7年、1番人気馬は3、7、9、9、6、4、6着となった。早めに動いて勝ちに出ざるを得ない立場になった馬は、必ず失速するパターンができてしまった。

 同じ福島コースでは、今週の古馬の「七夕賞」でも1番人気馬はもう23連敗もしていること。また、ほぼ同じようなコース形態の函館記念では、もう5年も連続して万馬券になっていることなど、波乱の原因はまず同じだろう。みんな中距離のスピードと切れ味を求められる重賞だが、波乱は大歓迎としても、台頭した馬がのちに能力上位だったとはならないところが難しい。ラジオたんぱ賞の勝ち馬は新しいところから順に、トラストファイヤー、ルネッサンス、シルクガーディアン、ビワタケヒデ、エアガッツ…。人気で負けた馬の方が、のちにはやっぱり活躍している。今週の七夕賞への教訓としたい。

 ダイタクフラッグは、負けたとはいえ0.4秒差だけ。江田照騎手もここ2〜3週、ややリズムが悪く、ふつうの平均ペースの流れなら巻き返せる。ついで人気だったボールドブライアン、サスガの藤沢勢は、ムキになって行きたがっているうえ、苦しくなってがんばる粘り強さがない。精神的にもろすぎた。

 特注は3着のソウゴンで、この乱ペースの中、良くギリギリまで粘ったものだ。右回りのローカル巧者として大仕事をしそうだ。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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