「今年は勝負の年」と位置付けている奥平厩舎は例年より早い滑り出し。
母サンタママ(牡、父ネオユニヴァース)は5月19日に一番乗りで入厩してきた。
奥平調教師自ら北海道セレクションセール1歳(2310万円)で落札したこともあり、思い入れも深い。「セリが開始した直後に上場されたので2000万円台で落ち着いたが、本来はもっと高値で取引されただろう。(前川清)オーナーの馬運の強さを感じるね」。
入厩直後は同じ2歳馬の
母タップエース(牡、父ステイゴールド)とゲート練習を行っている。秋山調教厩務員は「性格は大人しいし、ゲートも素直に入る。体(440キロ台)は小さいけど、フットワークは軽いし、雰囲気がいいですね」と評価は高い。このまま順調に調整が進めば、1回福島開催でデビュー予定だ。
6月初旬に入厩予定の
母フサイチエレガンス(牝、父マンハッタンカフェ)は千葉サラブレッドセール2歳で堀紘一氏が2730万円で落札。半兄は南関東重賞・東京湾カップを5馬身差圧勝したマグニフィカ(父ゼンノロブロイ)。東京ダービーで上位人気に推される実力馬だ。
奥平調教師は「公開調教(2F24秒4〜1F10秒7)の動きには余裕があったし、岡田繁幸さんも高評価していた。(社台ファーム生産馬なので)山元トレセンに放牧に出ていたが、入厩先のスタッフも「いい動きしますよ」と話している。楽しみな馬だよ」と期待を膨らませている。
同時期に入厩予定の
母マイネエストレヤ(牡、父アドマイヤマックス)は夏の福島でデビュー予定。「自分でも乗ってみたが、瞬発力があるし、動きは凄くいい。スタートも問題ないし、早い時期に使う」と即戦力として期待する。
同じく6月上旬に入厩予定の
レイナカスターニャ(牝、父キングカメハメハ、母ナスカ)は近親に重賞ウイナーのオーバーザウォール、サンバレンティン、インティライミがいる良血馬。「気が小さかった兄(ニーニョデルシエロ)とは違い、気性がシッカリしている。順調に調整が進んでいるし、牧場の評価も高い」と期待を込める。夏の新潟でのデビューを目指す。
筆者:辻三蔵
レーシングライター。元「ホースニュース馬」美浦所属トラックマン。