赤本が出たあとはあまり2歳馬の近況フォローしていない私だが、さすがに「おすすめ30頭」に入れた馬の中には近況が分かっている馬も多い。そこで今回は何頭かかいつまんでご紹介しよう。
ドラ1にした
母ファンジカは、まだ登録協会に馬名も入っていないくらいなので、秋までじっくり待とう。
ドラ2にした
母レンドフェリーチェも秋……と思っていたら、山元経由でグリーンウッドまで行ってしまった。橋口師に直接「積むのは8月末か9月アタマ」と聞いていたのに……。まあ、順調さゆえだろうから、素直に喜びたい。
結果的に4位で指名した
母テンシノキセキは、4月末には宇治田原まで来ていたはずだが、じっくり待っての入厩。6/4から坂路入りしている。分かりやすい速攻タイプなのに、阪神デビュー組に比べるとドラフト人気もさほどではなかったようだ。
赤本で指名した中で、校了と発売日の差に泣いたのが
母ジョーセクレタリー。ちょうど発売日の頃に「挫石で……」とか言っていたのが、実は剥離骨折。摘出手術をして、とりあえずは年内デビュー目標か。
母エイシンマリアンナは意外なチョイスだったかもしれないが、「ダンスなのに早い」という話は取材時に聞いていた。牧場のイチオシが母セントルイスガールで、ギャロップさんをはじめみんなそっちに飛びつくだろうなと思ったので、こちらは別な馬にこだわった次第。馬っぷりはいいし、母が短距離馬+栄進軍団は気性の勝った馬が多いので、短めの番組にもフィットするはず。5/20にゲート試験も受かっているし、デビューはすぐ。
ちなみに
母セントルイスガールのほうは、予定より遅めのデビューになりそう。馬そのもののデキはいいので、夏場は別なエイシンエーシンでお楽しみを。
おすすめ30頭の下位からも何頭か。
母スターミーは1歳秋から2歳はじめにかけて左肩を痛がっていたのだが、ここへきて超順調。NFの林厩舎では、「走る。気性だけが問題」と。秋遅めのデビューだと思っていたのだが、意外に早く入厩する可能性も出てきた。
母アズサユミ……だけでなく、NF横手厩舎の馬はじっくりやっているのがほとんどで、横手厩舎長も「いかにもPOG向きというのはいないよ」と。「でも、どれかは重賞で勝ち負けするわけだから」と水を向けても個別な馬の名前は挙がらず。これは別に隠しているわけじゃなく、秋以降デビュー組というのはそういうものなのよ。個人的には、
母アドマイヤハッピーがわりとローリスクなのではと思う。反対に、当たればデカいがリスクもそれなりというのが
母スプリットザナイトではないかと。
母ストレイトフロムテキサスは函館デビューが期待されていたが、ゲート試験に通ったあと、NF空港まで戻された。入厩時点で体が減っていたし、勇気ある仕切り直しは正解だと思う。夏後半へ向けて再調整。
母チャールストンハーバーは6/21からの週に入厩予定。新潟か小倉かは未定だが、ダートの新馬を使うとのこと。そんなにダート馬っぽくはないんですけどね……。ダートの新馬のほうが相手関係が楽なので、それを利して突破を。
母エムオービクトリーは、秋田先生がサマーセールで買ってきたスパイキュール産駒。馬の見映えは居並ぶ超良血にも負けないので穴馬としてリストの端っこに入れておいたのだが、横手厩舎長からは「狙いすぎだよ!」と突っ込まれた。ただ、道営経由でひょっこり認定に……など、ゲリラ戦的な活躍にはまだ可能性があるようだ。
ドラフト馬以外で、ブリーズアップセールのイチオシとした
母イソノスワローは、6/10にゲート試験合格。6/16には栗東坂路で52.6秒もマーク。これが走ったら、来年のブリーズアップセールでは誰かオーナーに臨時エージェントとして雇ってもらおう。
筆者:須田鷹雄
1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。POGの達人としても知られ、監修を務める“赤本”こと「POGの達人」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書と言われている。netkeiba.comでは「
回収率向上大作戦」も担当している。