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七夕賞

  • 2002年07月08日(月) 12時51分
 波乱の結果は今年も同じだったが、例年のローカル重賞のハンデ戦の、どんな伏兵でも台頭するパターンとちがって、今年の内容はきわめてレベルが高かった。

 勝ち時計は1分59秒2。過去10年、福島で行われた重賞としてはもっとも速かった。これは開催の後半になるほどローラーで固めるため、時計が速くなるというやや不自然な芝コンディションによるところも大きいが、レースの流れは【57.3−61.9秒】。超ハイペースに近く、ここまで流れがきびしくなると、たとえ展開を見方にしても力不足の馬の台頭は難しくなる。

 勝ったイーグルカフェはずっと詰めの甘さで勝ち切れないでいたが、今回は57キロ。今春の金杯が同じ57キロで1分59秒2の5着惜敗だったが、その時計とその切れ味で十分通用する相手だった。また今回は久しぶりの平坦コースだったが、この血統らしく平坦コースの方が合っていた。

 全兄のハセノガルチ(公営に転じて活躍)と同様、まだまだタフなタイプとして活躍しそうだが、今回の快走で逆に中央のG1では苦しいタイプであることも示した。

 特注はコイントス。前半57秒3のハイペースの先行争いの中、ブリンカーを付けたこの馬はかかって先行している。それでギリギリまで粘って1分59秒4。先行勢の中ではただ1頭だけ粘った。負けて強しだろう。

 ロードクロノスは通ったインが固めてあったため、結果として絶妙のコースどり。もう7歳だがG3重賞ならまだまだチャンスはある。ハンデ頭のアメリカンボスは、最近はもう平均ペース型でこういうきびしいスピードレースは苦しい。伏兵カチドキリュウ、シンボリビンテージなどに注目していたが、残念ながら軽ハンデの伏兵が台頭できるローカルのハンデ戦とは、今年は中身がちがった。

 マーメイドSのヤマカツスズランの1分59秒1(59.4−59.7秒)は素晴らしい。さすがにG1級だった。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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