最近は、いわゆる「秋デビューの大物タイプ」といわれる馬でも、入厩が早い傾向にある。ゲートだけ受からせてすぐ放牧に出るケースからそのまま競馬に使うケースまで色々あるが、とにかくPOGファンとしてはテンションの上がるところだ。
赤本やこのコラムで推してきたところでは
リフトザウイングスや
マルセリーナといったところが「もうっすか!?」というタイミングで入厩したし、最近では気付いたら
エアジョイントが入厩していた(17日から坂路入り)。
そんな、厩舎に居る馬たちは情報も増えてくると思うので、今回は7/20時点で在厩していない馬を何頭か取り上げておこう。
まずは、
サトノペガサス(母クラシックローズ)。いったん入厩してから放牧に出された組だ。1800mの新馬を使っていれば勝っていただろうと言われるほど能力は評価されているのだが、いま競馬を使うとテンションが高くなりすぎる可能性があるということで、もう少しじっくり調整されることになった。落ち着いてきたら9月頃にはデビューできそう。
私が強くプッシュしていた
アドマイヤスコール(母アズサユミ)は、秋デビューと呼ばれる馬たちの中でも早そうな1頭。とりあえず函館へ入れてゲートを受からせ、その次の段階を探ることになりそう。札幌で下ろすプランもあるようだが、友道師は能力のある馬なのでもう少しじっくり進めることも視野に入れているようだ。
ちなみにこの2頭はともにノーザンファームの横手厩舎在厩。横手厩舎といえば私がおすすめ30頭の30位に入れていた
スパイキュール×エムオービクトリー(牡、馬名ダークフィラメント)という馬がいる。超穴馬としてこっそり入れておいたのだが、同馬は道営スタートとなる模様。7月末には能検を受けるとのことである。
牝馬は社台ファームから、通好みなところを何頭かお届けしよう。
母グラッブユアハートはセレクトセール5,250万円の高馬。とりあえずお盆までは牧場で乗り込む見通しとのことで、現在は15-15あたりを順調に消化している。目立ったニュースがあるわけではないが、秋デビュー馬の現在の過ごし方としては至極順調というところだろう。
シャイニンオーラ(母シャイニンルビー)も同じくらいの進み具合とのこと。
千葉サラブレッドセールで取材陣を集めたディープインパクト産駒の
ウィッシュ(母コマーサント)は、そのまま山元トレセンに滞在している。このまま進めて秋デビューの予定。
ノボジャックの半妹にあたる
トーセンパピヨン(母フライトオブエンジェルス)は既に牧場で速いところを乗られて山元へ。9月にデビュー戦を迎えることになりそうだ。
2歳の7〜8月は本物の馬主さんからPOゲーマーまで気の急く時期ではあるが、じっくり馬の成長を促す時期でもある。まずはデビューしている馬で楽しんで、その次は今回紹介したような馬、さらには現時点で超じっくりと調整されている馬の登場を待とう。
筆者:須田鷹雄
1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。POGの達人としても知られ、監修を務める“赤本”こと「POGの達人」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書と言われている。netkeiba.comでは「
回収率向上大作戦」も担当している。