8月5日からの大井トゥィンクルは、夜が少し長くなった。最終レース20時55分スタート。レース間隔は従来と同じで、第1R発走が従来の15時50分から16時5分へ変更(10R制の場合)。以下15分ずつ繰り下げられている。理由はいうまでもなく「売り上げ増強進」で、地域とのコンセンサス、周辺の警備問題など、ここでようやく状況が整ったということらしい。「午後7時に来場する(場外発売所含め)ファンを想定すると、そこからなんとか4個レース楽しんでほしい」とは、広報担当者コメント。むろん厳しい状況下の企業努力ではあるだろう。当方ら専門紙からすると、とりわけ早朝3時起床、調教をみるトラックマンなどには辛いのだが、まあこれも運命共同体だからやむをえまい。現実にプロ野球はじめ、ギャンブル以外の他競技は元より夜が長かった。いずれにせよ長い夜、それならより熱い勝負を期待するか。思えば競輪場でも川崎、平塚松戸…ナイター開催が次々多くなっている。
黒潮盃(8月7日・サラ3歳・別定・1690m)
◎コオテンスポット (55・酒井)
○ジェネスアリダー (60・桑島)
▲ノムラリューオー (58・張田)
△シャイニングボス (55・鷹見)
△ホシノスナ (55・内田博)
△イシノラピド (53・甲斐)
△アルカングテースト (55・野崎)
△サルサクィーン (56・的場文)
実績をとるか上昇度か。猛暑の時季も含めポイントのつかみにくい一戦だが、今年の顔ぶれからはクラシック上位組、まだ余力の残っている馬を中心にした「残念ダービー」のムードが濃い。ジェネスアリダーは東京ダービー2着、JDダービー5着。ひと息勝ちきれないものの、相手と流れに応じ常に自分の能力だけ走り切る。あとはいかにも厳しい別定60キロをどうこなすか。楽観できないのは確か。
コオテンスポットは前2走、強敵相手ながらパドックなどむしろ他を圧する馬体、気配で、事実レースぶりもしっかりしていた。地味で人気にならないタイプ。馬券的な妙味はこれだろう。ノムラリューオーは追っての味、シャイニングボスは不器用さに、現時点でそれぞれ課題がありとみる。こと瞬発力はアラジ産駒ホシノスナも互角。以下、すんなり行ってイシノラピド、逆にもつれて完歩の大きいアルカングテースト。プリンセス賞の時計、レースぶりからはサルサクィーンも争覇圏に浮かぶ。
☆ ☆ ☆
来春JRA騎手免許取得を確実視されている安藤勝己騎手とその周辺に、また新たな動きが出てきたようだ。8月お盆開催の笠松競馬場、さらにNAR(地方競馬全国協会)ホームページで、ファンに、「JRA、NAR2つの騎手免許保持」のアンケートをするという。No.1スターである安藤勝己がJRAへ完全移籍、笠松で乗れなくなれば、当地では競馬存続そのものの死活問題。窮した主催者が勇をふるって動いたところで、今回それにNARが意外なほど機敏に反応した。
スポーツ紙など、まだそれぞれ報道がまちまちで明言できないが、ひとつ革命を思わせるできごととはいえるだろう。そもそもJRA=NAR、2か所から個別に免許を出すルール自体が本来大いなる矛盾だった。もう一つ、ごく漠然とした「公正」などという言葉をタテに、イイ大人を「調整ルーム」などという場所に軟禁、監視してきた、悪しき慣習と恥ずべき事実。競輪、競艇も含め、少なくともそこからはプロスポーツ選手のプライド、その矜持は絶対に生まれてこない。なぜそこがわからないか、あるいはわかろうとしないのか。「JRA免許を取得して、そこで地方免許を剥奪する理由は法的にも道義的にもない」というNAR坂本勉理事の発言は、当然かつ心強い。ようやくそこまで言ってくれたか。風穴がそろそろきれいにあいてくる、そんな気配をいま感じる。