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週刊サラブレッドレーシングポスト

  • 2002年08月07日(水) 00時00分
 10月2日・3日の両日、英国ニューマーケットで行われる欧州最高のイヤリングセール『タタソールズ・ホウトンセール』のカタログが、主催するタタソールズ社のウェブサイトにアップされた。

 ホウトンセールと言えば、この春英国とアイルランドのダービーを連覇し、12F路線では現役最強と言われているハイチャパラルが購買された(2000年のセールで27万ギニー、約5,300万円)セールである。

 北米最高のイヤリングセール『キーンランド・ジュライ』が、上場馬のクオリティが今一息だったことが原因でマーケットの大暴落を招いたばかりだが、『タタソールズ・ホウトン』の方は、少なくともカタログの上では、すなわち血統的レベルだけで判断すれば、過去最高クラスの品揃えになっているように思う。ことに、牝馬のクォリティーには目を見張らされるものがあり、将来の繁殖価値を考慮に入れた活発な購買が展開されそうである。

 上場193頭のうち、37頭がG1ホースの弟か妹。中でも、今季の愛1000ギニー勝馬ゴッサマーの弟(上場番号152番、父ナシュワン)、牝馬ながらチャンピオンSを制したアルボラーダの弟(上場番号132番、父セルカーク)、本邦種牡馬オペラハウスの弟(上場番号164番、父マークオヴエスティーム)、1000ギニー馬スリーピィタイムの妹(上場番号130番、父サドラーズウェルズ)、凱旋門賞馬サガミックスの妹(上場番号80番、父デインヒル)、一昨年の愛オークス馬ぺトルシュカの全妹(上場番号142番、父アンファウェイン)らが、大きな話題を集めそうである。

 母が1000ギニー馬スリーピイィタイムの牡駒(上場番号91番、父デインヒル)、母の兄弟にG1馬ヘクタープロテクターやボズラシャムがいる牡馬(上場番号32番、父サドラーズウェルズ)、母の兄弟にG1馬マキャヴェリアンやクードジェニーがいる牝馬(上場番号70番、父サドラーズウェルズ)らも、購買者の熱い視線を集めるのは間違いない。

 日本関連では、母の兄弟にエアエミネムがいる牝馬(上場番号17番、父ウッドマン)、ブラックホークの半妹にあたる牝馬(上場番号90番、父レインボウクエスト)、兄にトーヨーシアトルがいる牡馬(上場番号160番、父ダンジグ)、母の兄弟にシンコウフォレストがいる牝馬(上場番号178番、父サドラーズウェルズ)、兄に本邦種牡馬ホワイトマズルがいる牝馬(上場番号186番、父マキャヴェリアン)などが目につく。

 種牡馬別に見ると、チャンピオンサイヤー・サドラーズウェルズの産駒が34頭。レインボウクエスト、デインヒル、ダンジグ、シーキングザゴールド、キングマンボ、ストームキャットといった世界の一流種牡馬がサイヤーリストに名を連ねる中、日本での活躍が顕著なシングスピールの産駒が、今年の英ダービー3着馬ムーンバラードの全妹(上場番号116番)をはじめ4頭上場されており、このあたりは日本人バイヤーの食指が動くところとなるだろう。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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