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クラシックを狙える奥平厩舎の逸材

  • 2010年09月24日(金) 11時00分
 ダービー馬の妹として脚光を浴びたデビュー戦。マグニフィカ(ジャパンダートダービー1着)の妹アイアムエレガントが9月12日メイクデビュー中山(ダ1800m)で初勝利を飾った。走破時計の2分01秒8は1995年以降、最も遅い勝ちタイム。勝ち時計は褒められたものではないが、勝ったことに意義がある。

 奥平調教師は「隣に馬がいないと、集中力を欠いていたように気性面に幼さを見せていた。それでも直線ではシッカリ伸びてくれたし、レース内容にも余裕があった。まだ体質に弱い面があり、ビシッと仕上げていない。これから脚元が固まってくれば、もっと走れるよ」と笑顔で話す。次走は10月9日、東京のプラタナス賞(ダ1400m)を予定している。

「現状では短い距離の方が集中して走れる。まずは経験を積むことが大事。ゆくゆくは芝を使ってみたいし、一つ勝ったことで可能性は広がる」。ダービー馬の妹がスターへの第一歩を歩んだ。

 そして、奥平調教師が「この馬でクラシックを」と意気込むオメガスカイツリー(牡、父ゼンノロブロイ、母オメガアイランド)が美浦トレセンに帰厩した。1つ上の姉は新馬から2連勝したオメガブルーハワイ、近親にハーツクライがいる良血馬だ。

 一旦、7月1日に入厩後、7月15日にゲート試験に合格したが、「成長を促す」ために山元トレセンに放牧。9月15日に帰厩したが、三浦厩務員が「体が一回り大きくなって、馬体重は20キロ位増えていたよ」と驚く位の成長ぶりだ。以前、アルティマトゥーレを担当していた三浦厩務員が「乗り味が凄くいいし、背中の感触はアルティマトゥーレよりもいいぐらいだよ」と絶賛する大物。秋の東京開催でのデビューを目指して調整していく。

 オーヴェルニュ(牡、父アグネスタキオン、母オーベルゲイド)は6月11日に入厩したが、フレグモーネが出た影響もあり、7月上旬に山元トレセンに放牧。牧場で順調に乗り込まれており、秋の東京開催に帰厩予定だ。

 7月25日メイクデビュー新潟(芝1800m)で4着したコントルアタックも山元トレセンで英気を養っている。松岡騎手は「まだ成長途上の段階でこれだけ走るのだから素質がありますね。秋にはもっと良くなりますよ」と話していたが、放牧先の山元トレセンでは「馬体重は460キロ台(前走442キロ)まで増えた」(奥平調教師)とのこと。こちらも秋の東京開催を目標に調整していく。

 ティアップソフィー(牝、父スペシャルウィーク、母ニシノエルハーブ)は9月16日、ゲート試験に一発合格。スタートセンスが良く、軽快なフットワークが目を惹く。順調に調整が進めば、中山最終週でのデビューを目指している。

筆者:辻三蔵
 レーシングライター。元「ホースニュース馬」美浦所属トラックマン。

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