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クイーンS

  • 2002年08月12日(月) 13時11分
 ブリンカーを付けたダイワルージュが逃げをほのめかしていたため、人気のヤマカツスズランには不利な展開が予測されたが、それにしても厳しいペースになった。

 小回りコースとはいえ、前半45.9−58.1秒。1200m通過1分10秒6はきつい。逃げたダイワルージュは13着。自分の形にならず、3コーナーすぎで闘志を失ったヤマカツスズランはしんがり14着だった。

 重賞だけに、競って逃げて13着、14着はややみっともない結果とはいえ、時にはこのくらい激しい先行争いがあってもいいだろう。ただ、ヤマカツスズランは逃げ馬の宿命とはいえ、このペースなら2番手で折り合うぐらいの自在性をみせないと、一応はG1ホースだけに、評価は下がる。一本調子すぎる。

 なさけないといえば、流れは絶好、勝ってくださいという形になりながら、かろうじて2着に入っただけのダイヤモンドビコーも、期待が大きかっただけに、また同じ1800mの中山牝馬Sを1分45秒4でティコティコタック以下に5馬身差圧勝の記録があるだけに、ちょっとがっかりだった。

 それを考えると、このHペースを早めにまくって出て勝ったミツワトップレディ(これで休みをはさんで4連勝)は立派。着差は少ないが、上位にきたのは差し=追い込み馬だけなのだから価値がある。ましてここは格上がりで休み明けだった。

 ダイヤモンドビコーを鼻差まで追い詰めた3着のサクラヴィクトリアは、ダートの関東オークスの内容が平凡すぎ、とても芝の重賞では無理と思えたが、一気に突っ込んできたから立派。体もひと回り成長している。この好走は52キロの軽量だけではない。

 ティコティコタックは、やけに体が仕上がりすぎていた。レディパステルとともに目標は女王杯はたしかだが、この2頭のG1ホースもこのあと過信禁物だろう。牝馬の重賞路線、勢力図が変わりはじめている。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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