ブリンカーを付けたダイワルージュが逃げをほのめかしていたため、人気のヤマカツスズランには不利な展開が予測されたが、それにしても厳しいペースになった。
小回りコースとはいえ、前半45.9−58.1秒。1200m通過1分10秒6はきつい。逃げたダイワルージュは13着。自分の形にならず、3コーナーすぎで闘志を失ったヤマカツスズランはしんがり14着だった。
重賞だけに、競って逃げて13着、14着はややみっともない結果とはいえ、時にはこのくらい激しい先行争いがあってもいいだろう。ただ、ヤマカツスズランは逃げ馬の宿命とはいえ、このペースなら2番手で折り合うぐらいの自在性をみせないと、一応はG1ホースだけに、評価は下がる。一本調子すぎる。
なさけないといえば、流れは絶好、勝ってくださいという形になりながら、かろうじて2着に入っただけのダイヤモンドビコーも、期待が大きかっただけに、また同じ1800mの中山牝馬Sを1分45秒4でティコティコタック以下に5馬身差圧勝の記録があるだけに、ちょっとがっかりだった。
それを考えると、このHペースを早めにまくって出て勝ったミツワトップレディ(これで休みをはさんで4連勝)は立派。着差は少ないが、上位にきたのは差し=追い込み馬だけなのだから価値がある。ましてここは格上がりで休み明けだった。
ダイヤモンドビコーを鼻差まで追い詰めた3着のサクラヴィクトリアは、ダートの関東オークスの内容が平凡すぎ、とても芝の重賞では無理と思えたが、一気に突っ込んできたから立派。体もひと回り成長している。この好走は52キロの軽量だけではない。
ティコティコタックは、やけに体が仕上がりすぎていた。レディパステルとともに目標は女王杯はたしかだが、この2頭のG1ホースもこのあと過信禁物だろう。牝馬の重賞路線、勢力図が変わりはじめている。