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デビュー直後のダート替わり

  • 2010年10月15日(金) 11時00分
 ふとしたきっかけで、2歳馬がデビューした直後のダート替わりについて考えてみた。

 きっかけとなったのは、10/10の京都1R、ウォータールルドの勝ったレースである。同馬は芝の新馬でデビューしたあと、ダート替わりの形でこのレースに出走。それが正解となって6番人気で勝ち上がりとなった。

 その父ウォーターリーグはデヒアの産駒だからダート替わりで前進するのは納得なのだが、実際にはなかなかこのように素早い方針転換というのはできないものである。日本の場合、どうしても芝のほうが格上というイメージがあるため、ついつい芝を走り続けてしまうということも多い。

 ただ、馬というのは勝ちあがってナンボ。素早く馬の適性を見抜き、方向転換させるのは厩舎の腕である。そこで今回は「デビュー戦芝→2戦目ダート」という前提で成績(もちろん2戦目の)が良い厩舎を調べてみた。

 実は芝→ダートという馬の勝率や連対率は、芝→芝という馬の2戦目よりも低い。おそらく単なるスピード不足の馬もダートに回ってくるからだろう。

 だからこそ、芝→ダートでの成績(勝率6.5%・連対率11.6%)はもちろん、芝→芝(勝率8.2%・連対率15.9%)も上回ってくるようだと、「分かっている厩舎」ということになるのではないだろうか。

 2000年以降のレースを対象に、該当レース数の多い厩舎から注目すべきところを挙げると以下の通り。

※厩舎、着度数、勝率・連対率の順
萩原 清[10-3-1-21/35] 28.6%・37.1%
田中清隆[7-3-2-18/30] 23.3%・33.3%
中竹和也[6-4-2-23/35] 17.1%・28.6%
池添兼雄[6-0-9-21/36] 16.7%・16.7%
森 秀行[5-2-3-20/30] 16.7%・23.3%
領家政蔵[6-5-2-26/39] 15.4%・28.2%
田村康仁[5-3-4-30/42] 11.9%・19.0%
国枝 栄[4-4-4-25/37] 10.8%・21.6%
野村彰彦[3-3-1-23/30] 10.0%・20.0%
佐々木晶[3-2-3-23/31] 9.7%・16.1%
手塚貴久[3-2-5-22/32] 9.4%・15.6%

 なるほど、といった感じのメンバーだ。中竹厩舎や森厩舎はマル外が多いので、日本の馬場への適性を探り探りといったこともあるだろう。

 他の厩舎も、派手なメンバーとは言えないが実力派が揃った。先に述べたように、適性評価と適切な番組選びができているのだとしたら、デビュー直後のダート替わりに限らず他の局面でも良い番組選択をしているはず。特にドラフト中〜下位の渋い馬を指名するときにこういった厩舎を重視してみたい。

筆者:須田鷹雄
 1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。POGの達人としても知られ、監修を務める“赤本”こと「POGの達人」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書と言われている。netkeiba.comでは「回収率向上大作戦」も担当している。

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