勝った5歳牝馬トーワトレジャーは、賞金不足で遠征していた北海道シリーズの札幌記念を使えなかった馬。しかし、除外されてハンデ戦のここヘ回ってきたのが大正解だった。
51キロのハンデに恵まれたうえ、初コースとはいえ、直線の長い左回りの新潟コースは理想的だったろう。
このレース、トニービン産駒は合計3頭出走していたが、結果は1、3、5着。トニービン産駒の東京コースでの強さ(G1・13勝のうち11勝が府中)は知られるところだが、昨年から新装になった新潟の芝コースは、もっとトニービン産駒に合っていたわけだ。
また、牝馬が強い重賞であることも知られている。夏のこの時期に固定されて約30年たったが牝馬は牡馬の3分の1以下の出走数にもかかわらず、勝ち馬の約半数が牝馬だ。
2着したアグネススペシャルは、力関係のわりにちょっと人気になりすぎと思えたが、一度は抜け出した形の小差2着は立派。小柄な牡馬だけに別定戦の重賞になってはどうかでも、次もハンデ戦なら54〜55キロ前後。本格化しているだけに好勝負だろう。
3着のダービーレグノ(父トニービン)はコースが合っていた。G1マイルCSでも0.5秒差に突っ込んだ能力があり、このくらい走って当然とはいえるが、コースが他場に変わると過信はできない。
期待していたエイシンワンシャン(父トニービン)は、やや元気がなかった。新潟でのパターン通り、前走で走りすぎ(2000mを1分56秒9)の馬は危険。その形だった。
新しい新潟コースは、長い直線で能力にプラスアルファの上昇の可能性が求められる。ベテラン勢はこれからも苦しいだろう。