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担当各厩舎、今年の成績は…

  • 2010年11月19日(金) 11時00分
 美浦トレセンのいちょうの葉も黄色に染まり、秋めく今日この頃。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。毎年、暮れも迫ると、赤本の「注目厩舎リポート」で取り上げた厩舎がどんな成績を挙げたか、気になるが、今年は…。

 昨年の今頃、ブルーミングアレー(小島茂厩舎)、メジロオードリー(大久保洋厩舎)、オメガクリスマス(奥平厩舎)、クリスタルボーイ(斎藤誠厩舎)と注目新馬が続々と勝ち上がっていたのが懐かしい。

 それでも斎藤誠厩舎のプレイが11月14日の2歳未勝利で待望の初勝利を挙げたのは嬉しい限り。アドマイヤムーンの半弟、セレクトセール1歳で最高額の15,225万円で落札されたこともあり、岡田繁幸オーナーの期待がとてつもなく大きい馬。

 松岡騎手はレース後、「今日は勝ってくれないと困ると思っていました」と話していたそうだが、斎藤誠調教師もまずはほっと一安心だろう。未勝利戦といってもシャイニンロミオトーセンマルスといった素質馬相手に3馬身半突き放した内容は評価できる。ようやくスタートラインに立ったが、今後の活躍が楽しみになってきた。

 既に18頭(3頭勝ち上がり)がデビューしている斎藤誠厩舎に対して、小島茂厩舎は4頭(1頭勝ち上がり)と例年より遅い滑り出し。しかし、11月に入り、プロヴィナージュの半妹ナチュラルライツが11日にゲート試験に合格、6月4日に既にゲート試験に合格しているピンクファンタジー(牝、父アグネスタキオン、母ポーリッシュピンク)も11月5日に帰厩している。

 兄姉に現1600万のラフィナール、シャーペンエッジがいるマリーシア(牝、父クロフネ、母シャープキック)は11月27日(土)メイクデビュー東京(ダ1600m)を内田騎手でデビュー予定だ。暮れの中山組も含めて、これから素質馬が続々とデビューしていくだろう。

 一方、「今年はまだ1頭も勝っとらん」とボヤくのが大久保洋調教師。10頭がデビューして、まだ未勝利。ただ、「ロージズインメイ産駒だが、手先が軽い走りをするな。この馬はいいぞ」と高評価するレッドストラーダ(牡、父ロージズインメイ、母スイートキャンディ)に、11月11日にゲート試験に合格した{horse=0000:メジロコウミョウ}(牝、父キングカメハメハ、母メジロルルド)、メジロリュウジン(牡、父アドマイヤコジーン、母メジロマリー)と素質馬がデビューに向けてスタンバイ。

 9月17日に入厩したメジロダイボサツ(牡、父ディープインパクト、母メジロドーベル)も11月3日にゲート試験に合格している。ただ、ポリトラックコースでキャンター中心の調整で本格的な調教はまだ始めていない。大久保洋調教師は「トモに弱い面があるので、脚元に負担がかからないポリトラックコースで乗っているが、もう少し時間がかかるな。走るのはわかっているのでデビュー時期を決めずに調整していくつもりだ」と成長を待ちながら育てる方針だ。

 奥平厩舎は例年より使い出しが早く、既に12頭がデビューしているが、新馬勝ちしたのはアイアムエレガントだけ。今年から実戦を使いながら仕上げていく方針になり、エースチョウサン(15番人気6着→7番人気6着→8番人気3着)のように徐々に成績を上げていく。

 3戦目の次走(11月27日(土)2歳未勝利:東京芝1600m)、ルメール騎手で勝負を賭けるレイナカスターニャ、秋山調教厩務員が「(放牧を経て)良くなって帰ってきた」と話すコントルアタック(11月27日(土)2歳未勝利:東京芝1800m)など、新馬で評判になった素質馬が力を発揮できる環境が整ってきた。

 そして噂の大物オメガスカイツリー(牡、父ゼンノロブロイ、母オメガアイランド)がいよいよデビューする。

 10月中旬、デビュー直前まで調整が進んだが、周囲を気にして集中力を欠く面があり、気分を切り替えるために短期放牧。11月5日に帰厩したが、以前よりも集中して走れるようになった。奥平調教師は「リフレッシュ放牧に出したことで悪さもしなくなったし、だいぶ大人しくなってきた。これなら実戦で走れるだろう」とゴーサイン。11月20日(土)メイクデビュー東京(芝1800m)を三浦騎手でデビュー予定。三浦騎手も「走る馬と聞いていますから、楽しみです」と胸を膨らませている。

筆者:辻三蔵
 レーシングライター。元「ホースニュース馬」美浦所属トラックマン。

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