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新潟2歳S

  • 2002年09月02日(月) 12時10分
 大半の馬にとって初の1600m。もっとスローで流れるかと予測したが、レースの流れは35.2−47.1=46.7−34.7秒。これで1分33秒8の決着は、キャリアの浅い2歳馬とすればかなり厳しい内容だった。

 1000m通過にすると59.1秒だから、1600m戦としては完全な平均ペースだが、各馬のもつスケールが出たと考えていい。もちろんキャリア不足で、秘める能力を出せない馬はいっぱいいて、人気の1頭トラストセレビーなど15着(1分36秒1)に沈んでしまったが、上位を占めた馬はみんな内容があった。

 ワナ(父フジキセキ)は、これが2戦目。初戦の新馬で今回1番人気のマルロスに完勝しているから、もちろん有力馬だったが、すでに3戦し、前走の1400mを1分21秒6のレコードで勝っているマルロスに逆転されるかと思えたが、資質は完全に一枚上だった。

 うまく中団の外で折り合い、先に抜け出したヨシサイバーダイン(4戦目)をねじ伏せるようにかわしたレースぶりは、ハデではないが非常に渋い。フジキセキの産駒(これが重賞11勝目)は、これまで距離が延びると案外良くなく、毎年クラシックで関脇、大関クラスが多かったが、この牝馬はスケールがありそうだ。

 新潟2歳Sに出走していたオークス馬は史上3頭(メジロドーベル、テンモン、テイタニヤ)いる。4着にとどまったが、光るところを見せたタイムウィルテルとともに、来季に向けて成長して欲しい。

 1分34秒2で乗り切ったマルロスは、インの不利はあったがほぼ力は出している。

 同じ日の小倉2歳S。人気のチャニングガール(マルロスと同じ森厩舎)は、繰り上がりの4着に沈んだ。キャリア1戦の牝馬の凡走は仕方がないが、スッーとハナに立てたあと、少々ハイペースでも先頭をゆずらない強気の戦法の方が良かった気もする。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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