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秋競馬・序章

  • 2002年09月03日(火) 00時00分
 8月28日船橋競馬、準重賞「千葉テレビ放送盃」。ユニコーンS以来3ヵ月ぶりに出走したヒミツヘイキがよもやの敗戦を喫してしまった。道中2番手を進んだものの、3〜4コーナー早くも手応えが怪しくなり、直線はジリ下がり。単勝オッズ1.2倍。次走9月23日盛岡「ダービーGP」へ向けローテーションの一環としても、正直首をひねりたくなるレースぶりではあった。ただゴール前は差し返すような素振りもみせ、なんとか掲示板にとどまる5着。故障うんぬんなど、深刻かつ憂慮するような事態ではない。

 千葉テレビ放送盃(サラA2以下・ハンデ・1600m良)

 △(1)ユーエムアスキー  (52・佐藤祐) 1分41秒3
 ○(2)カーディアンゴット (54・佐藤隆) 鼻
 △(3)ゼンノポイント   (52・佐藤太) 1
 ▲(4)カミスドリーム   (54・秋田)  7
 ◎(5)ヒミツヘイキ    (56・左海)  1

 そのヒミツヘイキ。道中2番手と書いたが、スタートの瞬間に頭が上がり、最初からあまりいい雰囲気では走っていない。ユニコーンSであれだけの速い流れを楽に追走したこの馬が道中スローをおっつけ通し。つくづくサラブレッドとは繊細で難しい生き物だと痛感する。能力の比較以前に、気分よく走れるか、流れに乗れるかが優先する。キャリア5戦目の3歳馬ヒミツヘイキには、まだそれだけの精神力が備わっていなかったというしかない。「今日は子供っぽい面が出てしまった。でも次は…」と左海騎手。ひとまずその「次は…」に期待しよう。当日22キロ増、弾力がありハチきれそうな馬体で、おそらく夏の充電はしっかりできた。ちなみに勝ったユーエムアスキーは父モガミ、540キロの馬体を誇る成長株。追って味があり、ここをいいきっかけに、大井中〜長距離重賞ロードに乗ってほしい。

    ☆     ☆     ☆

 さきたま杯(9月4日浦和・サラ3歳以上・別定・統一G3・1400m)

 ◎ブラウンシャトレー (安部)
 ○フジノテンビー   (佐藤隆)
 ▲レイズスズラン   (江田)
 △ユーワファルコン  (石崎隆)
 △ゴールドプルーフ  (河端)
 △ロイヤルエンデバー (繁田)
 △トシザミカ     (河内)

 一長一短、微妙な顔ぶれになった。浦和1400mは小回りながらコーナーの緩やかなつくりで(ぐるりと円形に近い)、徐々にエンジンをかけていくタイプに向いている。逃げ馬より、むしろその直後からまくる馬にプラスアルファ。良馬場だと意外なほどパワーも要求される。

 ブラウンシャトレーから穴を狙う。統一G、指定交流の上位常連。器用さがあり、距離も多様にこなしてきたが、最も得意と思えるのはやはり短〜マイルの切れ味勝負。前々走名古屋かきつばた記念(1400m)をサウスヴィグラスの3着、5走前阪急杯(芝1200m)をアドマイヤコジーンの3着だから、基本的な能力は高い。右回りはインでタメる(結果詰まり気味)ケースが多く、逆に左回りならまくり気味に動けるイメージ。強敵相手にもまれてきた経験がそろそろ生きるか。

 フジノテンビーは前走オールスターCを鮮やかに制し完全復活をアピールした。再生に自信を持つ川島正行師、同スタッフの面目躍如。元よりデイリー杯勝ち、ユニコーンS2着の天才ランナーで、左回り1400mもまずベストといえるだろう。ただ押せ押せのローテーションが厳しい残暑で少々気になる。一昨年このレースを勝ったレイズスズランは、他にトーホウエンペラーを下した浦和記念もあり、ややつかみづらいタイプながら底力上位。石崎隆Jを配したユーワファルコン、ブラウンと同じ東海のレース巧者ゴールドプルーフ、スランプを脱したロイヤルエンデバー。馬複、馬単で少し手広く流してみたい。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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