5歳の夏を迎えたブレイクタイム(父デインヒル)が、やっと全面的に本格化した。
ブレイクタイムがそのAランクのスピード能力の一端を最初に示したのは、3歳春の菩提樹S・1400m。強引に飛ばし前半4ハロンに43秒8を記録している。当然バタバタになり上がりは37秒3もかかったが、1分21秒1の好時計で乗り切って見せた。
ただし、勝ったのはそれが最後で、4歳はほとんど順調に使えなかった。それでもG1安田記念を[57.4−35.8秒=1分33秒2]で2着しているのだから、A級のスピード馬であることは間違いない。
順調に使えるようになった5歳の今シーズン、1400mを1分19秒0、直線1000mを54秒0。ともに日本レコード級で乗り切りながら勝ち切れないでいたが、今回は楽々と1分31秒9。1000mのあとだけに前半は少し行きたがり、松永幹騎手は少し馬群から外へ離して折り合いをつけるなどのロスもあったが、この快時計で直線後300m地点まで持ったままだった。
これでマイル戦は2、5、2、2、1着。5着時は本格化前の3歳秋で、それでも1分34秒4。
このあとスプリンターズSという説もあるが、むしろマイルCS(G1)の有力候補だろう。世界を代表する種牡馬デインヒルは1シーズンだけ日本にきたが、そのときの産駒から見事に後継馬が生まれた。
セントウルS・1200mを1分7秒1のコースレコードで圧勝したビリーヴ(父サンデーサイレンス)も、G1級に育ってきた。自身のラップは[33.6−33.5秒=1分7秒1]。
なだめて進みながら、一気に抜け出して刻んだラップも理想的だった。サンデー産駒はまだ1200mのG1は勝っていないが、ビリーヴによってそのチャンスが出てきた。