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心よりお見舞い申し上げます

  • 2011年03月18日(金) 11時00分
 まずはじめに、今回の震災で被害に遭われた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。競馬界の人間も、復興のためにできるかぎりのサポートをしていきたいということで気持ちは一致していると思います。まだ先のことを語れる段階ではありませんが、一日も早く日常を取り戻せるよう、がんばっていきましょう。

 さて、POGどころか競馬の今後もはっきりとしない状態で先のことを書くのは難しいのだが、現状で決まっているのは次の通り。

・中山競馬は月内中止
・重賞は関西に移行して実施する
・アネモネSなどクラシックに関わる競走でも一部中止
・上位クラス優先の編成のため、下級条件の出走枠はタイトに

 他に未発表ながら、美浦の物流状況などを鑑み、関東馬が西で調教できるような体制を整える動きもあるようだ。

 以下は私個人の意見だが、G1レース、特にクラシックは競馬の根幹を成すものであり、可能な限り実施に向けて調整すべきものである。そのために、下級条件などいわゆる「割を食う」馬たちも出てきてしまうが、ある程度はやむをえない。

 新馬戦が残り少ないといった問題もあるが、勝ち上がりのチャンスということでは秋に未勝利戦の終了時期を調整するといった手段もある。いまはまず、クラス編成の上から調整して、最低限の体制を整えるべきだろう。付加価値の高い競走を優先して行うことは、同一開催日の売上高を押し上げる効果をもたらすし、そうすればJRAが被災地の義捐金を追加するといった余裕を生むこともできる。

 今回の措置でどうしても関東馬が不利になり、またこれから出走枠獲得に挑もうという馬も不利になるだろうが、これは致し方のないことだろう。表現として適切かどうかは分からないが、競馬というのは運不運を積み重ねて成立するものである。ましてPOGにおいては、あらゆる要素を素直に受け容れるべきだろう。これも適切かどうかは分からないが、前向きに「たかがPOG」と考える余裕を持ちたい。

 最後に、私個人の状況としては、ちょうど今年の「POGの達人」を準備しはじめた段階だった。

 競馬そのものがどうなるのか分からないが、平時に戻ることが目標という観点において、「出せるならば出す」という準備は進めるつもりでいる。

 しかし、牧場や馬主、調教師の中にも震災の影響が出ている状況である。近年POG媒体が増えすぎて被取材者に負荷がかかりすぎるという問題が出ていたが、今年は特に注意しなくてはならない。

 「POGの達人」は、最小限の取材でコンテンツ上最大の付加価値を引き出せるように、効率的な制作を心がけるつもりである。読者の皆様にもその点を御理解いただくとともに、他社媒体の制作者にも、節度ある取材をお願いしたい。

※次回は4月1日(金)の更新となります。

筆者:須田鷹雄
 1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。POGの達人としても知られ、監修を務める“赤本”こと「POGの達人」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書と言われている。netkeiba.comでは「回収率向上大作戦」も担当している。

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