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ファインモーションに死角は無いのか?

  • 2002年10月07日(月) 16時40分
 なんとかファインモーションを切る方法はないものか? というお話について考えてみたい。

 週刊誌等の予想は◎ファインモーションで出してしまったし、直前の予想もそうするとは思うのだが、それとは別次元で「ファインモーション抜きの馬券」について考えたいのだ。

 というのも、秋華賞といえば「荒れる牝馬三冠目」。阪神ジュベナイルフィリーズも入れれば「若い牝馬のG1はたまにとてつもないことが起こる」とまとめることもできるだろう。フルゲート18頭立ても予想されるし、「夢の100万馬券」が出るとしたら今回なのでは、というヤマも張れると思うのだ。

 しかし、現実はなかなかに厳しい。ファインモーションはローズSで単勝1.2倍であり、今回は1.1倍以下に落ちることはあっても、1.3倍以上に上がることはないだろう。

 一方、平成以降G1で単勝1.0〜1.2倍に支持された馬は8頭おり、故障したサイレンススズカを除く7頭は[5.1.1.0]で全て3連複の範囲内に入っている。G1でここまで人気になるようだと、やはり大崩れは無いのかもしれない。

 無理矢理「弱点」を探すとすれば、前走の着差だろうか。平成以降、G1で1番人気になったのべ221頭のうち、前走で重賞を勝っていた馬を着差別に分類すると、1秒以上ちぎった馬と0.2秒以下の僅差で勝った馬が高い連対率(概ね60%以上)・複勝率(同70%以上)を記録しているのに対し、0.3〜0.9秒差で勝った馬は連対率40%台・複勝率50%台と意外に奮わないのだ。

 まあ、前走のファインモーションはちぎろうと思えば1秒ちぎれただけだから不安材料とは言えないのだが、数字の額面通り「複勝率50%台」と考えれば「とてつもない結末」の可能性は40%以上ある。目をつぶって超大穴3連複で遊ぶのもいいだろう。ただし、金額はほどほどに……。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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