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菊花賞は春勢力優勢

  • 2002年10月14日(月) 15時08分
 菊花賞といえば、距離が距離だけに「適性」がポイントとなるレースである。

 しかし、なにしろ3000mという距離はほぼ全員が初経験だけに、予想段階で言われる「適性」は机上の話であり、もっと言えばイメージに過ぎないことも多い。

 上がり馬タイプが「いかにも菊花賞向き」という「イメージ」で買われることもあるが、果たしてそんなイメージは正しいのか、今回はひとつの例について調査してみた。

 「菊花賞向き」イメージのある上がり馬といえば、「デビューは遅れたけど長めのところを使われて……」といったタイプである。そこで、新馬(未出走戦)デビューの時期について調べてみたのだ。

 まず、平成以降の菊花賞連対馬26頭のデビュー時期はこんな感じ。

2歳6〜8月=5頭
2歳9〜10月=6頭
2歳11〜12月=10頭
3歳1〜2月=4頭
(勝率47.1%・連対率64.7%)
※未勝利戦デビュー1頭(ダイワオーシュウ・3歳5月)

 一方、3番人気以内に推されながら複勝圏内を外した14頭はこんな感じ。

2歳6〜8月=4頭
2歳9〜10月=4頭
2歳11〜12月=3頭
3歳1〜2月=3頭
(勝率47.6%・連対率71.4%)

 実はあまり有意な差が無いのである。他にデビュー距離、勝ち上がりまでの平均レース数、重賞初連対までの平均期間などを調べてみたが、こちらもやはり有意な差は見られなかった。

 ただ、連対馬のデビュー時期を見ても分かるように、年明け前後までにデビューを果たし、春の段階でそこそこ名前が出ていることは必要。「すごく遅れてきた大物」に期待をかけすぎるのは禁物だ。今年はトライアルが春勢力だけで決まっているだけに、春クラシックを予想しているくらいの気分で臨みたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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