菊花賞といえば、距離が距離だけに「適性」がポイントとなるレースである。
しかし、なにしろ3000mという距離はほぼ全員が初経験だけに、予想段階で言われる「適性」は机上の話であり、もっと言えばイメージに過ぎないことも多い。
上がり馬タイプが「いかにも菊花賞向き」という「イメージ」で買われることもあるが、果たしてそんなイメージは正しいのか、今回はひとつの例について調査してみた。
「菊花賞向き」イメージのある上がり馬といえば、「デビューは遅れたけど長めのところを使われて……」といったタイプである。そこで、新馬(未出走戦)デビューの時期について調べてみたのだ。
まず、平成以降の菊花賞連対馬26頭のデビュー時期はこんな感じ。
2歳6〜8月=5頭
2歳9〜10月=6頭
2歳11〜12月=10頭
3歳1〜2月=4頭
(勝率47.1%・連対率64.7%)
※未勝利戦デビュー1頭(ダイワオーシュウ・3歳5月)
一方、3番人気以内に推されながら複勝圏内を外した14頭はこんな感じ。
2歳6〜8月=4頭
2歳9〜10月=4頭
2歳11〜12月=3頭
3歳1〜2月=3頭
(勝率47.6%・連対率71.4%)
実はあまり有意な差が無いのである。他にデビュー距離、勝ち上がりまでの平均レース数、重賞初連対までの平均期間などを調べてみたが、こちらもやはり有意な差は見られなかった。
ただ、連対馬のデビュー時期を見ても分かるように、年明け前後までにデビューを果たし、春の段階でそこそこ名前が出ていることは必要。「すごく遅れてきた大物」に期待をかけすぎるのは禁物だ。今年はトライアルが春勢力だけで決まっているだけに、春クラシックを予想しているくらいの気分で臨みたい。