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セレクトセールの安めゾーンから穴馬を

  • 2011年05月13日(金) 18時00分
 NHKマイルCでグランプリボスが優勝し、2つめのG1タイトルを手にした。

 同馬は2008年セレクトセール当歳セッションにて2700万円(税別)で取引された馬。このあたりの価格帯の馬は、POGドラフト前後によほど評判になっていない限り、人気にはなりにくい。

 また、セレクトセール自体でもこのあたりから下の価格帯はお買い得ゾーンになっている。おおざっぱに言うと、1億円以上はそれなりに活躍するものの値段が高すぎて獲得賞金が追い付かず、5000〜1億円あたりが高馬の好コストパフォーマンスゾーン。3000〜5000万円あたりはビッグプレイヤーと中小馬主のハードなセリが起きやすいためか再び費用対効果が悪くなり、3000万円未満は値段のわりに活躍馬が出てお買い得となる。

 POGの場合は購買価格を考慮する必要がないが、ドラフト下位で渋い当たりを引くためには、「セレクトセールにしては安め」の馬たちを効率よく攻めたいところだ。

 ちなみに、3〜12歳世代でJRAに出走歴のあるセレクトセール3000万円未満馬(税別)は全部で1262頭。この馬たちをどんな切り口で分ければ、効率よく当たりに近づけるだろうか?

 多くの人は社台グループ生産馬を探すだろうが、POG期間内の1走あたり賞金で見ると総合が154万円に対し、社台157万円、ノーザン184万円(グランプリボスを除くと169万円)、白老159万円、追分108万円で、実はそれほど総合と変わらない。

 それより、手っ取り早いのは「母の父サンデーサイレンス」だ。同じようにPOG期間内の成績で見ると1走あたり賞金は232万円。グランプリボスを抜いても188万円で、グランプリボス入りのノーザンファーム生産馬よりわずかに高い。

 ちなみに、今年2歳を迎えたセレクトセール3000万円未満馬は304頭。そのうち母の父サンデーサイレンスは51頭。だいぶ候補馬は多いが、この中から穴馬を探してみたい。

※次回は5月27日(金)の更新となります。

▼筆者:須田鷹雄
 1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。POGの達人としても知られ、監修を務める“赤本”こと「POGの達人」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書と言われている。netkeiba.comでは「回収率向上大作戦」も担当している。

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