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東田幸男調教助手「即答!10の質問」

  • 2011年05月30日(月) 12時00分
東田幸男
1958年11月6日生まれ、北海道出身。二分久男調教師のもとでジョッキーとして活躍。引退後、田島良保厩舎、田所秀孝厩舎を経て、現在の音無秀孝厩舎へ。昨年、全国リーディングに輝いた厩舎の支柱として活躍している。





◆「即答!10の質問」
ファンの皆様の質問にお答え

Q1.ダノンヨーヨーの安田記念ですが、落馬してしまった内田博幸騎手からウィリアムズ騎手に乗り替わりとのこと。「どんな馬です」と伝える予定ですか?

 競馬に行くとズブくて、ズルいんです。だから、ふわっと乗るタイプじゃないんですよね。グッとハミを掛けて、ヤル気を出させるように乗った方がいいと思いますね。

 それと、今まではゲートの出が悪かったんです。それで前走のマイラーズCの前に、ゲート練習をして、内田君にもそのことを伝えました。そうしたら、内田君が競馬で上手いことゲートを出してくれて、前につける競馬が出来たんですよね。ああいう競馬が理想です。そういうことも、先生から伝えると思います。

Q2.安田記念はダノンヨーヨーに期待☆ 去年の4連勝がかなり印象深いのですが、ここが成長期だったということですか?

 う〜ん、というよりこの馬はね、今考えると間隔を空けるより、使い詰めた方がいいんですね。間隔を空けるとリラックスしちゃうというのかな。去年は間隔を空けないで使っていたから、気合いも乗っていたんだと思います。

Q3.夫婦とか、ペットと飼い主とか、近くにいると似てくると言われますが、馬のキャラクターも厩舎毎に出てくるものでしょうか?

 それはないですね。ただ、乗っている厩務員さんには似てきますよ。それはありますね。気の短い人だったら馬もピリピリしているようなところがあるし、おっとりしている人だったら馬もおっとりしますね。

Q4.オウケンブルースリのファンです。春の天皇賞は残念でしたが、絶対に復活してください! 秋には復帰ということですよね?

 そうですね。秋に復活して欲しいですね。この馬は大体、秋から調子を上げますからね。今まで春先に厩舎にいたことって、ほとんどないですから。春の天皇賞が目標なのに、今年初めて使ったくらいで。

 秋に一生懸命走るので、次の春は自分で「お休み」というふうに体調を作っちゃうみたいです。オンとオフを決めているような。何か野球選手みたいですよね。

Q5.レッドデイヴィスの骨折は残念…復活を待っています。ところで、クラシックも有望だったんじゃないかと思うくらいの馬ですが、なぜ早くからセン馬になったのですか?

 セン馬にして申し訳ないです(苦笑)。あのですね、入厩した時は本当にヤンチャで…。あらゆるものを兼ね備えていました。悪い方向にね(苦笑)。

 何せ気性が荒くて。女の子を見たら追い掛けていくし、あっちに行ったりこっちに行ったりで、集中力も無かったんです。

 このままでは競走馬としては危ないなということで、相談して去勢しました。それがいい結果に出たとは思っているんですけど、今考えるともったいないのもありますね。

Q6.昨年リーディングを獲られた音無厩舎! 音無厩舎ならではの方針ってありますか?

 う〜ん、これと言って特別なことをしているわけではないんですけどね。ただ、これだけは言えるんじゃないかな。調教方針は変えないですね。

 この世界、勝ち鞍が上がらなかったら違うことをやるという、確かにそれも勇気の要ることなんですけど、今までやってきたことを通すのも勇気が要ると思うんです。俗に言う言葉で「辛抱」。そこを耐えれば、また結果が出て来ると思ってやっていますね。

Q7.POGをやっています。今年の音無秀孝厩舎の2歳馬は期待馬が多いと聞きましたが、何かPOGへのアドバイスをお願いします。

 今年も良い馬が入るようなんですが、例年よりちょっと入厩が遅いんですよね。それはどういうことかと言いますと、ここの調教内容に対応できるような基礎体力をしっかりつけてから入れるということなんです。

 アドバイスと言いますか、まあ、先生が「良い」と言う馬は良いんでしょう。要はそれです。ぜひ、厩舎に入ってくる2歳馬に注目してください。

Q8.梅雨に入ると調教もやりにくいと思いますが、この時期だからしていることってありますか?

 やっぱり、人間と一緒で不快感があるでしょうから、馬の気分を損なわないようにしています。あとは、体調も崩しやすいんですよね。皮膚の病気になってしまう心配もありますので、馬体を常にきれいにするよう心掛けています。

Q9.馬のクセは調教で矯正すると思いますが、特にやりにくい馬はどういうタイプですか?

 僕らは乗るのが専門なので、思うような調教ができない時は、道具を上手いこと利用して直していくんですけどね。

 特にやりにくいのは、僕らに言わせれば、真面目に走らない馬ですね。そういう馬をこの世界では「バカつく」って言うんです。気が悪い馬なんですよ。良い物を持っているんだけど、走る方向に集中しない。そういう馬が一番難しいです。

Q10.調教助手として努力していることはありますか?

 やっぱり体重には気をつけていますね。そのためにも走っています。というか、趣味がマラソンなんです。走ると馬の気持ちも分かりますしね(笑)。走りに行ったら2時間くらい帰ってこないです。片道15km、帰りにもう15km走りますね。

 あとは乗り方ですね。馬にあまり負担を掛けないような乗り方を心掛けています。馬も、1日1日で違います。今日の機嫌は良いんだろうか、悪いんだろうか、機嫌が悪かったらどこかに何かあるのか、いろいろあるんですよね。馬の上にいてコンタクトは取っているつもりですけど、まあ、言ってくれたら一番ありがたいわけですけどね(笑)。

東奈緒美 1983年1月2日生まれ、三重県出身。タレントとして関西圏を中心にテレビやCMで活躍中。グリーンチャンネル「トレセンリポート」のレギュラーリポーターを務めたことで、競馬に興味を抱き、また多くの競馬関係者との交流を深めている。

赤見千尋 1978年2月2日生まれ、群馬県出身。98年10月に公営高崎競馬の騎手としてデビュー。以来、高崎競馬廃止の05年1月まで騎乗を続けた。通算成績は2033戦91勝。引退後は、グリーンチャンネル「トレセンTIME」の美浦リポーターを担当したほか、KBS京都「競馬展望プラス」MC、秋田書店「プレイコミック」で連載した「優駿の門・ASUMI」の原作を手掛けるなど幅広く活躍。

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