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真夏に集う来春を意識できる素質馬

  • 2011年08月08日(月) 18時00分
【栗東】
◆ビキニブロンド(牝、父キングカメハメハ、母モンローブロンド、栗東・安田隆行厩舎)

 母は同厩舎で管理され、小倉芝1000mの新馬戦をレコード勝ちした快速馬。入厩当初から安田隆行調教師が「デビュー勝ちが期待される血統なので、慎重にデビュー時期を見極めたいですね」と話していたが、その言葉通り、ゆったりとした日程でここまで調整されてきた。7月15日にゲート試験に合格すると本格的な調教を開始。7月28日にレースで騎乗予定の川田将雅騎手が跨ってCWでアルモドヴァールとの併せ馬。追走したが、ゴール地点では1馬身ほど先着し、ラスト1Fは11秒台の伸び。そして8月3日には同じくCWで6F81.6秒をマーク。新馬としては水準以上の時計をマークしており、同師も「余裕を持って攻めてこれたので、いい状態に仕上がりました」とコメント。母と同じ小倉の地で8月13日(土)の芝1200mでデビューする予定となっている。

ビキニブロンド


◆サンライズシャトー(牡、父キングカメハメハ、母レディミューズ、栗東・安田隆行厩舎)

 2009年セレクトセール当歳にて2250万円で落札されており、半姉シンメイフジは同厩舎で管理され、新潟2歳S、関東オークスと芝、ダートの重賞を制している。入厩前から「馬っぷりが垢抜けしている」と安田隆行調教師が期待していた一頭。7月21日にゲート試験に合格し、8月3日に坂路で古馬ホーマンルッツを追走する併せ馬。1馬身ほど追走したため、最後は少し遅れたが、4F53.1-1F12.5秒という時計は新馬としては水準以上。ただ期するところの大きい同師は「調教からは初戦から動けるタイプではないですね」と少しトーンダウンしているが、このひと追いで動ける状態になってくるだろう。デビューは8月14日(日)小倉芝1800mを浜中俊騎手で予定されている。

◆オメガホームラン(牡、父ダイワメジャー、母ダンスーズデトワール、栗東・安田隆行厩舎)

 半兄ルルーシュは札幌芝1800mの新馬戦を勝っており、3戦2勝の素質馬。同じく半兄ステージプレゼンスはきさらぎ賞3着など、早い時期からクラシックディスタンスが活躍できる血統。本馬は7月1日にゲート試験に合格してから、山元トレセンを経由して函館競馬場入り。7月27日には現地函館Wで古馬カレンジェニオを追走する併せ馬だったが、あっさり先着して5F66.3秒、1F12.3秒。この動きに「騎乗した三浦皇成騎手(レースで騎乗予定)も手応えを掴んでくれたようですね。古馬を煽る動きを見せたあたり、器の大きさを感じます」と安田隆行調教師。その後も順調に調教が進んでおり、デビュー予定の8月13日(土)札幌芝1500mへ向けて万全の仕上がりを見せている。

オメガホームラン


◆フォルトファーレン(牡、父ディープインパクト、母クリソプレーズ、栗東・音無秀孝厩舎)

 母は同厩舎で管理され、芝で3勝を挙げて繁殖入りしているが、その初仔となるのが本馬。音無秀孝調教師が「産まれてすぐ見せてもらったけど、すごくいい馬で預からせてほしいとお願いした」というほど期待の大きい一頭。入厩してから順調に調整を進めて、7月20日にゲート試験に合格。8月3日には坂路で新馬ピコピコハンマー(8月14日小倉芝1800mでデビュー予定)と併せて追走先着。時計は4F54.2-1F13.4秒と水準程度だが、しっかりと動けていることが評価できる。デビューは8月13日(土)新潟芝1600mを松岡正海騎手で予定されている。

フォルトファーレン


【美浦】
◆ストローハット(牡、父フジキセキ、母ウォートルベリー、美浦・堀宣行厩舎)

 2009年のセレクトセールに上場され、金子真人ホールディングスが5600万円で落札した。母は仏G2・ジャンロマネ賞、伊G2・リディアテシオ賞の勝ち馬。来日歴もあり、2004年のエリザベス女王杯(15着)に参戦した。叔母には仏G1・サンタラリ賞の勝ち馬ベルエセレブルがいる。先々週の追い切りでは美浦トレセンに来場した福永祐一騎手が感触を確かめ、「切れるというより、パワー型の走り。いかにも洋芝は合いそうな感じがする」とジャッジ。橋本調教助手も「わりと筋肉質のタイプだけど、走り出せば軽いフットワークを見せるし、芝にも対応できると思う」と素質を見込んでいる。デビュー戦は8月13日、札幌の芝1800mを福永祐一騎手で予定している。

◆ベストディール(牡、父ディープインパクト、母コマーサント、美浦・国枝栄厩舎)

 母は米G1・E.P.テイラーSの勝ち馬。半姉アイアムノココロはデビュー勝ちしている。函館でゲート試験を受け、7月下旬に札幌競馬場に入厩。8月3日にはダートコースで追われ、余力十分に軽快な動きを見せた。厩舎サイドは「乗り味の良さ」を評価している。こちらも8月14日、札幌の芝1800mを蛯名正義騎手で予定している。

◆スズノライジン(牡、父ファスリエフ、母スズノメガミ、美浦・高橋裕厩舎)

 おじにGIII・アンタレスS3着などダート路線で活躍したバクシンヒーローがいる。6月22日に入厩して以来、坂路を中心としたメニューで仕上げられてきた。先週の追い切りでは古馬に先着と力強い動きを披露。「古馬を子供扱いにするぐらいだし、走りがしっかりしている。トビが大きくて乗り手の感覚以上に速い時計が出るし、まだギアを隠し持っていそうな感じ。いかにも直線が長い新潟の外回りは良さそう。馬っぷりもいいし、初戦から楽しみにしています」と高橋裕調教師。8月13日、新潟の芝1600mを大野拓弥騎手で予定している。

◆ロッソコルサ(牡、父デュランダル、母ベラミカントリー、美浦・矢野英一厩舎)

 おばに東京盃やTCK女王盃を制したほか、ユニコーンS2着などダートの統一重賞で活躍したベラミロードがいる。7月27日に坂路で4F54.3、1F11.9をマーク。じっくりと乗り込んで仕上がりは順調に進んでいる。「オンとオフがハッキリしているタイプ。スイッチが入れば、いいスピードを見せる。気性的にも新馬向きだと思う」と矢野英一調教師はデビュー勝ちを狙っている。8月14日、新潟の芝1400mを石橋脩騎手で予定している。

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栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

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